月面望遠鏡を開発 奥州の国立天文台と岩手大学 [岩手日報]

2010年代前半の打ち上げを目標とするH2Aロケットを使った次期月探査計画に向け、奥州市水沢区国立天文台RISE推進室(佐々木晶室長)と岩手大工学部(馬場守学部長)が共同で研究開発する望遠鏡「月面天測望遠鏡(ILOM)」の試作品モデルがほぼ完成した。現在月を周回している衛星「かぐや」に続くプロジェクトで、かぐやと子衛星の順調な飛行により次期プロジェクト実現の期待も高まる。実現すれば望遠鏡は月面に据え付けられ、月の基盤情報などの収集に活躍する。

「望遠鏡」は高さ約1メートル、重さ約50キロ。計画では土台とともにロケットで月の「南極」付近に運ばれる。現在開発中のモデルは実物の約半分の大きさで、RISE推進室が設計図などを発案し、岩手大で具体化している。

次期探査計画で活用が期待される月面天測望遠鏡は、月面で約1年間、月の周りの数10個の星を継続観測し、月の自転速度や自転軸の傾きを調べる。自転の概要を把握して月の中心核など内部構造をより精密に解明し、月の誕生や進化などの謎に迫る。

月面は、温度差が約300度あるため、望遠鏡には熱膨張率が低いCFRP(炭素繊維強化複合材料)が使われるなど、工夫している。月面ではセンサーで星の姿や重力バランスを把握し、付属カメラで撮影して、電波でデータを地球に送る。

月の南極ですか! なんか面白い計画ですね。 極地点への着陸というのもこれまでに無い試みで期待が高まります。