【岩手・宮城内陸地震】住宅被害が少なかったのは? キラーパルス弱く、下側の断層だった  [産経]

岩手・宮城内陸地震に伴い山間部で大規模な地滑りが発生したが、住宅など建造物の全半壊は12棟と、昨年の新潟県中越沖地震(全半壊6485棟)などに比べて被害は小さかった。その理由は震源断層の構造にある。

今回の地震は盆地と山地の境界付近で起きた逆断層型地震で、西側の地盤が東側に乗り上げたとみられる。東大地震研究所の島崎邦彦教授によると、大きな被害が出やすいのは上側の断層だ。今回は西側の山間地が上側で、住宅の多い地域が下側だったため被害が少なかったとみられる。

また、震度6弱だった宮城県・築館や鳴子で観測された地震波を同研究所のグループが解析した結果、周期が0.2秒程度の短周期の地震波と、周期が2秒以上の長周期の地震波が強く含まれていることが判明した。

一般に、周期の短い地震波は小さな構造物を、周期の長い地震波は大きな構造物を揺らしやすい。木造住宅などに大きな被害を及ぼすのは周期1〜2秒の地震波で、「キラーパルス」とも呼ばれる。今回はそれより短周期側と長周期側に地震波のピークがあるため、地震の規模と震度が大きかったわりには「キラーパルス」は強くなかった。

一方、震源から約400キロ離れた関東平野ではユラユラとした揺れ(長周期地震動)が3分以上も続いたことも今回の地震の特徴といえる。

なるほど、この規模にしては市街地の被害が比較的少ないな(もちろん深刻であることに変わりはありませんが)と思っていたらそういうことですか。 市街地より山岳地帯側に被害が集中していたのは断層のずれる向きにあったようです。

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の緊急観測結果について [JAXA]

「だいち」が被災地を観測したようです。 今回は翌日と早かったですが、ちょうど「だいち」上空を通るタイミングでセンサーの首振り範囲内だったようです。 可視画像のため雲が多いところはよく見えませんが、土砂災害の起きている箇所がいくつか確認できます。 ニュースなどでも土砂崩れの映像を目にしますが、今回のはかなりやばいですよね。 峠道が根こそぎ削れ落ちているような映像はびびりましたよ…