【竹内薫の科学・時事放談】宇宙エレベーター [産経]

科学者や技術者が「50年後に実用化できます」というとき、私は眉(まゆ)に唾(つば)をつけることにしている。半世紀後、仮にその技術が実用化できなくても、誰も責任をとらないからだ。だが、「20年で実用化できます」というときは(きちんと吟味したうえで)信じることができる。

似たような未来技術系の話としては宇宙太陽光発電とかがありますね。 軌道エレベーターはまだ素材面での基礎研究の段階で、発電衛星は2010年代前半にも実験衛星が打ち上げられる計画がありますがそちらは主にコストが問題になりそう。

ただし、一つだけ越えなければならない技術的な壁がある。ケーブルは重力と遠心力の「綱引き」になるため、鋼鉄の180倍以上の強さが必要になる。現在、日本発のカーボン・ナノチューブが、このような強さをもつ素材の有力候補とされている。今後数年かけて、ケーブルの素材が完成したとき、宇宙エレベーターは、SFの世界から一気に現実の世界に降りてくる。
日本発の素材を使った宇宙エレベーターは、日本がリーダーシップを取って建設すべきだと思うが、はたして、他国(おそらくアメリカ)に先を越される前に決断できるであろうか?

実はそのへんが一番大変そうですよねw