成立した宇宙基本法(1) [nikkeiBP on Yahoo!]

2001年に省庁統合が行われ、文部科学省が誕生した。宇宙開発委員会は、総理府直轄から文科省の一委員会に格下げされ、宇宙開発に関する政策議論は内閣府総合科学技術会議が行うことになった。つまり、宇宙開発は内閣総理大臣直轄から、数ある科学技術政策のうちの一つに引き下げられたのである。
省庁統合が政治主導で行われたことを考えると、政治の側が宇宙開発を放り出したと言えなくもない。
つまり、政治の側が一方的に「官僚はなにをやっているんだ」と責められるものでもないのだ。1989年の段階で、政治が宇宙開発への興味を回復し、市場開放を迫るアメリカに大して適切な政策を打ち出していれば、ここまで日本の宇宙開発が追い込まれることもなかったはずなのである。

まあ、確かに。

しかし現在、自民党宇宙基本法の立ち上げに動いた議員の間から中止反対論が出ているのだ。その理由は「GXは情報収集衛星の打ち上げに最適のロケットであり、国策として開発を決めたもの。それを中止するというのはどういうことか」だと報道されている。事実、GXの開発途上では、政治家向けには同ロケットが打ち上げ能力的に情報収集衛星打ち上げというニーズに合致しているという説明がされていた。
しかし、現在の宇宙開発委員会の資料を読む限り、GXはもはやそのような状態ではない。機体構成が二転三転したことにより、能力は低く、価格は高く、設計上のマージンは小さく、機体規模は過大で打ち上げ能力は過小になった。
技術的にどうしようもない袋小路に迷い込んでいることは、あまりに明らかである。
GXの開発継続を主張する議員らが、宇宙開発委員会の資料を読み解く能力がないのならば、「そんな政治家が宇宙基本法に基づいて宇宙政策を決定して大丈夫なのだろうか」ということになる。読み解く能力を持った上で、なおかつ何らかの事情で開発継続を主張しているならば、「物理条件や技術的要件を、なんらかの理由で曲げてしまうような政治家に、正しい宇宙政策を策定できるのか」ということになる

しかしこういうところがやっぱりちょっと不安なんですよね。 IGS上げる目的ならもう本当にH-IIAでええやんけとw GXが従来通りH-IIAよりコストパフォーマンスが良ければそういう理由付けも構わないと思いますけど、実際はLNGエンジン開発に手こずって仕様変更能力低下コスト増加の雨あられですからね… いやLNG研究自体はどんどん進めるべきだと思いますよ、無理な事業化で増加する分のコストを基礎研究に注ぎ込めばきっと良い物が出来上がるでしょう。 逆にそういう展望も無しに明らかな無理筋をごり押しして通してしまうようじゃ先行き真っ暗。
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