地球環境問題と気象衛星の価値 [松浦晋也のL/D]

さて、そこで衛星である。地球環境、さらには地球環境に影響する宇宙空間の環境を調べるのには、衛星が最適の道具なのだ。

宇宙環境を調べるのに衛星が最適というのは言うまでもないだろう。
そして、地球を周回する衛星が、地球全体の環境の情報を一気に取得するのに最適な道具であることは言うまでもない。

そのような地球環境の継続的なデータ取得を行っている衛星のひとつが、気象衛星なのである。

人類が今後とも継続的に地球に住み続けるには、地球環境を確実に把握することが必須だろう。そのためには、衛星による継続観測が絶対に必要である。要するに我々は、まだまだ地球環境について分かっちゃいないのだ。謙虚に基礎科学に投資し、基礎的なデータを延々と蓄積し、分析し続ける必要がある。

そのことを、政府は理解しているだろうか。結論が出た、とばかりに排出権取引のようなカネの動くビジネススキームに飛び込んでいってしまっていいのだろうか。

私は疑問を感じている。

全くその通り、今まさに洞爺湖サミット中で日本は環境問題を前面に押し出そうとしていますが、そこまで力を入れながら肝心のデータ収集手段がこんな扱われ方というのがまったく不可解。 観測衛星といえば今年度は世界初の二酸化炭素観測専用の衛星「GOSAT」の打ち上げがありますし、今後は「GCOM」という地球環境変動観測衛星シリーズなどが計画されています。 これらはJAXA文科省)の担当ですが、気象庁の担当する「ひまわり」はこれらの中でも直接的な、即時性の高いデータを取得する、社会全体の活動に欠かせない最も重要な衛星なのは言うまでもない事です。 気象庁のこのあしらわれ方というのは一体何なんでしょうねえ。