米シャトル後継候補に日本の無人宇宙輸送機、NASA打診 [読売]

うおっ、打ち上げ依頼ではなくHTV自体の購入ですか。

2010年に米スペースシャトルを退役させることを決めた米航空宇宙局(NASA)が、シャトルの後継宇宙輸送機として、日本が開発中の無人宇宙輸送機「HTV」を購入する検討を始め、宇宙航空研究開発機構に打診していることが19日、明らかになった。

シャトル退役で、国際宇宙ステーション(ISS)に送る水や食糧、実験機器などの必要物資のうち、米国が責任を負う物資を輸送できない恐れが出てきたためと見られる。

世界最大の宇宙機関が日本の技術力を高く評価した形だが、HTVは1機約140億円で、これほど大型の国産宇宙機器を海外に販売した例はない。売買契約が締結されれば、50年にわたる日本の宇宙開発史上初の超大型取引となる。

宇宙飛行士が長期滞在しているISSには、日米欧露が分担して必要物資を輸送している。現在稼働中の輸送機は、有人宇宙船のシャトルとロシア「ソユーズ」、無人輸送機のロシア「プログレス」と欧州「ATV」の計4機。HTVは来年秋に初号機の打ち上げが成功すれば、年1機のペースで打ち上げられる予定だ。

NASAシャトルを10年に退役させるのは、高コストで安全性にも問題が残るためだ。しかし後継の物資輸送機の運用が始まるのは早くても18年になる見込みで、NASAは、空白期をHTVで埋め合わせる検討を始めた模様だ。

宇宙機構によると、NASAから今年2月以降に打診があり、非公式の折衝を続けている。文部科学省宇宙利用推進室は「国内では(HTV購入の)可能性に期待感があることは承知している」と話している。

HTV宇宙航空研究開発機構三菱重工業三菱電機などが開発している。長さ10メートル、直径4・4メートルの円筒形で、最大6トンの荷物を積み込める。HTV用に開発中の大型ロケット「H2B」に搭載。

NASA:シャトル後の物資輸送、日本製利用を検討 [毎日]

ロケットなど日本製の宇宙輸送機が外国に購入されたことはなく、実現すれば、日本の宇宙産業にとって弾みになる。一方で、NASAは公募で選んだ米民間企業2社の宇宙輸送機の開発を支援しており、直ちにHTVの受注に結びつくかどうかは未知数だ。

NASAシャトルの後継機として有人宇宙船「オリオン」を開発中だが、ISSへの飛行は早くて16年になる見通し。関係者によると、民間企業の輸送機開発も遅れ気味で「シャトル退役には間に合わないかもしれない」という。

NASAは2月に発表した予算教書に「HTV、ATVを調達することができる」と明記した。米国分担分の物資輸送に支障をきたす恐れがあるという危機感から、選択肢を増やす狙いがあるとみられる。

HTVも候補の一つだとは思ってましたが、やはり来ました。 まあ読売の報道は以前「飛ばし」た実績があるのでちょっと身構えましたがw、民間輸送の方はようやくSpaceXが打ち上げ用のロケットのテスト飛行を始めた段階ですし、2010年のシャトル退役までに間に合わせるのはちょっと厳しそうですしね。 欧州のATVも候補ですが、HTVとATVはそれぞれ搭載物の役割分担をしている性格があるのでそうなるとやはりHTVは外せないでしょう。 コスト的にもHTVはだいぶ抑えられているので(とはいえロシアのプログレスは別格)、これは是非頑張って欲しい。
ちなみにHTVはH-IIBロケットで2009年度に種子島から打ち上げられる計画ですが、今回のはHTV単体の購入らしいのでH-IIBの信頼性は直接には関わってこないでしょう。 しかし結局はH-IIBで飛ばさないと実績は積めないので、こっちも重要な事に変わりはありませんね。 HTVが単体で購入されるとなると、アトラス5かデルタ4あたりでの打ち上げでしょうか。 いずれにしてもH-IIBより高く付きそうな感じですが、まあアトラス5との組み合わせで提案された事も実際あるのでアリなんでしょう。