NASAが反論、火星で生命など発見していない [Technobahn]

NASAの火星探査機「フェニックス」が火星の土壌から「生命の可能性」につながる重大な発見を行ったと1日付けの航空宇宙専門誌「アビエーション・ウィーク&スペース・テクノロジー」が報じたことに関して、「フェニックス」探査チームの責任者が報道内容を否定する発言を行っていたことが明らかとなった。

4日付けの米MSNBCによると、「フェニックス」探査チームの統括責任者となるピーター・スミス(Peter Smith)博士は4日、「フェニックス」が火星の土壌から「生命の可能性」につながるを行ったというのは「馬鹿げた、また悪意のある報道だ(bogus and damaging information)」と発言して、先の報道を完全否定した。

アビエーション・ウィーク誌は「生命の可能性」につながる発見をしたのは、「フェニックス」に搭載されているMECA(Microscopy, Electrochemistry, and Conductivity Analyzer)と呼ばれる分析装置による分析結果によるもので、先に「フェニックス」探査チームが火星の土壌から水を発見したとする記者会見を行った際には、記者団からの質問がMECAに及ばないようにわざとMECAの観測担当者を記者会見から外させて、更に、事の重大性からホワイトハウスの科学顧問に対してブリーフィングを行ったと報じていた。

スミス博士は記者会見でMECAの担当者を外したのは単にMECAの分析作業が完了していなかったからで、大体、MECAに関わる分析情報をワシントンにあるNASA本部の職員が知りえる訳がなく、ホワイトハウスの科学顧問に対してNASAがブリーフィングを実施したというのも嘘だと、報道内容を真っ向から否定した。

また、アビエーション・ウィーク誌に報道でNASAからブリーフィングを受けたとされるホワイトハウスのクレイグ・コボート(Craig Covault)科学顧問もMSNBCのインタビューに応じて「(アビエーション・ウィーク誌)は火星で生命が発見されたとか記事にしているようだが、はっきりと、はっきりと、3回程繰り返して言っていいが、火星で生命が発見されたことはない」と答えた。

ただし、コボート科学顧問は、NASAから火星の土壌が生命の生存性の可能性をもっているとの報告は受けたとした上で、その方向でホワイトハウスがアラートを上がることはできないか、相談を受けたことは認めた。

あー、まあAVIATION WEEK誌の記事原文では「バクテリアを発見したという話ではなく居住性・生存可能性」と書かれてましたしね。 引用記事がその辺を多少飛ばし気味に書いて「生命発見の可能性」なんてふうに話が変わっちゃったりとかよくある事です。 ただしやはり「生命が生存できる可能性」については報告を受けているそうです。

NASA、火星の土壌から過塩素酸塩を検出・生命の生存には適さない可能性 [Technobahn]

NASAは4日、火星探査機「フェニックス」による化学分析結果から火星の土壌から過塩素酸塩(perchlorate)を検出したことを発表した。

過塩素酸塩は自然界にも稀に存在するが、一般的には極めて毒性の高いロケット燃料の一つとなるヒドラジンなどと構造が良く似た強塩基で環境汚染物質の一種。

当初の予想では火星の土壌は水分の有無を除けば地球の土壌と似ているのではないかとする見方も強かっただけに、今回の分析結果はこうした当初の予想を全く覆すものとなる。

ただし、NASAでは過塩素酸塩は「フェニックス」が火星に着陸する際のロケット噴射の影響で生じた可能性もあるとして、それが「フェニックス」の着陸前から存在する火星の物質であるのか、更に調査を進めるとしている。

「フェニックス」に搭載されているロケットには燃料としてヒドラジンが搭載されていた。

上のと関係してるネタかどうかは判りませんが。 確かに今回の着陸機は最近多用していたエアバッグではなく逆噴射での着陸でしたから、噴射ガスで試料が汚染されている可能性もありますね。 まあその辺は当然想定済みだと思いますので、詳細な分析を待ちましょう。