宇宙技術力未来に生かせ 究極ロケットM5保存へ [産経]

世界最大級の固体燃料ロケットとして科学衛星の打ち上げで活躍し、2年前に廃止されたM5ロケットの実物が保存されることが決まった。宇宙航空研究開発機構JAXA)によると、日本の宇宙技術力を後世に伝え、一般向けの教材として生かすのが狙い。10月から開発拠点のJAXA宇宙科学研究本部(神奈川県相模原市)に展示、公開する。

保存が決まったのは計8機製造されたM5のうち、唯一残っている2号機。当初は平成7年度に月探査機「ルナーA」を打ち上げる予定だったが、計画中止で使い道がなくなり、発射台がある内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)やメーカーの工場に分散して放置されていた。

技術者や相模原市などから保存を求める声が寄せられたことに加え、廃棄処分するとかえって手間がかかることもあり、同研究本部に集めて組み立てることにした。全長約30メートルの3段式で、衛星カバーなどを除きほとんどの部分を実物のまま保存・展示する。

M5は東大生産技術研究所の故・糸川英夫博士が開発を指揮した固体燃料ロケットの集大成として、9年に登場。火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」などを打ち上げたが、費用が割高なため18年に廃止された。

JAXAの阪本成一教授は「究極の進化を遂げた固体燃料ロケットの姿を間近で見て、素晴らしさを肌で感じてもらえれば」と話している。

M-V2号機の実機が展示される運びになったそうです。 2号機といえばLNNAR-Aの計画遅延により1・3段目が6号機に流用されたそうなので、足りない部分はやはり眠っているパーツを寄せ集めて組み上げるんでしょうね。 筑波宇宙センターに設置されたH-II実機と同様でしょうか。 どちらも日本における宇宙開発のひとつの集大成的なものなので、これはとても良い事ですね。