ひまわり後継機、気象庁が予算要求…運用の民間委託も検討 [読売]

最近飛ばしの多い読売の科学記事なので少々身構えてしまいますがw、ここは素直に読んでおきましょう。

気象庁は、6〜8年後に予定されている気象衛星「ひまわり」の後継機の製造費の一部約80億円を、2009年度予算の概算要求に計上する方針を固めた。

現行の2基を相乗りで打ち上げた国土交通省航空局が後継機から手を引く方針を打ち出したため、予定通りの打ち上げが危ぶまれていたが、台風の進路や地球温暖化の監視を担う衛星の重要性は高まっており、同省も予算を確保し気象庁単独で打ち上げることを認めた。

気象庁は、これまで国が行っていた打ち上げ後の管理運用を民間企業に委託するPFI方式を国内で初めて衛星に導入する検討も始めた。

ひまわりは、故障に備えて2基体制で運用されており、現行の6号、7号は2015年に寿命を迎える。次期衛星2基は打ち上げを含めて計約600億円かかる。衛星の製造に5年かかるため、来年度予算に盛り込む必要があった。

航空管制業務のため、現行ひまわりの製造費など7割を負担した国交省航空局が「次世代の管制通信方式が議論中」との理由で、次期衛星では手を引く意向を示していた。

しかし、衛星の打ち上げが延期や中止になれば、アジア太平洋の広い地域で低気圧や前線の情報が得られなくなる恐れがあり、研究者から「国として責任を持って衛星整備に取り組む必要がある」と強い意見や要望が出ていた。

気象庁は衛星に関連する予算を削減するため、打ち上げ後の運用を複数の衛星を打ち上げている民間企業に任せる検討を始めた。衛星の軌道や向きを修正する運用作業には2基で計約200億円かかるとされる。これを民間企業に任せることで数億円以上を節減できる可能性があるという。

年度予算のため複数年に分けて支出しますが、そもそも予算が足りないためにそれすらままならないという状況がずっと続いていました。 この記事によると、どうやら気象衛星の重要性を説く声に押されて国交省も予算確保に動き始めたようです。 多目的化によるワリカンについては、国交省の航空管制やJAXAの観測衛星などの相乗り可能なミッションが当面予定されていないため気象庁単独で行うという事だそうですが、となるとこれは久し振りに余分な機能を廃した純粋な気象観測衛星となりそうですね。 その他、運用を民間に委託する事でコストダウンを図る案も検討されているそうですが、まあ何だかんだ上手くいったとして「じゃあもっと削っても大丈夫だよね」とか言って更に予算削減されたりとか普通にありそうで怖いw