No.1266 :JAXAタウンミーティング@岸和田 [宇宙作家クラブニュース掲示板]

DAICON7と同時開催されたJAXAタウンミーティングに笹本さんが参加したレポ。

この件については、笹本が質問して確認してみたところ以下のような答えを得ました。
小澤理事「今の中期、2006年から11年までの5年間のあいだには打ち上げ計画はありません。JAXAとしては、2012年から17年の次の中期においてはやぶさ2をぜひ打ち上げたいと思っています」
「なんでH2Aロケットではやぶさを打ち上げないんですか?官需だし、打ち上げ機会の増大にも繋がると思うんですが」
小澤理事「H2Aはやぶさ打ち上げというオプションも、もちろん検討しています。H2Aでさまざまな衛星を打ち上げたいと考えています。科学衛星も、ものによっては上げます。用途に合わせて効率良くロケットを上げていきたいと考えています」

はやぶさ2は早くても2012年以降となるようです。 「ぜひ」という表現からは計画実行への積極性を感じますね。 これは期待が高まります。 ただし、H-IIAでの打ち上げはオプションの一つという位置付けみたいですが、やっぱコスト優先なんですかね… PLANET-CH-IIAでいくならはやぶさ2も同様だと思うんですが。 まあ、選択肢としてあるという話となると、仮にVEGAでの打ち上げがポシャッても可能性は残るというわけですね。

「どんどん金網が増えていって、見学に行っても見えにくくなってるんです。こないだ内之浦に行ってロケット見せてくれっていったら、とんでもないって断られちゃった。もっとみんなに触って、見てもらうことが広報だと思う。ロケットというのは楽しいものであるってもっと宣伝すべきだと思うんです」
この質問をしたのは、宇宙研のロケット班長として2003年に退官するまで430本のロケットを打ち上げた林紀幸氏。
小澤理事「ロケットに触れないという意見があるのは承知してます。だから、古いロケットは展示して直接手で触れるような機会も作ってます。
最近はセキュリティも重視しなければならず、世界でもそういう趨勢になっています。前ならフェンスがなかったに今それがあるのは、想定される危機に備えなければならないという意見もあるからです。
ロケットに触れたいという気持ちは、展示品の方で触って欲しい。
実際の打ち上げにおいてのセキュリティ強化は、どこにどんな悪い人がいるか解りませんから、テロのために我慢して欲しいと考えています」

そういえばH-2A ロケット打ち上げレポートさんの記事でも最近種子島宇宙センターのセキュリティが厳重になっている様子が見られますね。

HTVHTVシャトル後継機になるんじゃないかってニュースをみたんですが?」
小澤理事「2010年にシャトルが引退すると、ステーションへの輸送は貨物がプログレス、人員がソユーズで、ロシアのロケットだけになってしまいます。もしロシア側でなにかロケットが打ち上げられないような問題が出るとステーションが干上がってしまうので、代替としての輸送手段はアメリカが開発中です。それが間に合わない開発中の過渡期の段階に、補給機として使えないかという話がNASAからりました。NASAHTVを採用というところまではいっていません」
国際宇宙ステーションへの補給であるHTVは、どこの予算で打ち上げられるんですか?」
小澤理事「今の宇宙ステーションには、日本モジュールが接続されており、この先日本人宇宙飛行士が滞在する予定です。なのに、日本は宇宙ステーションで発電していない。維持に必要なリソースも提供していない。他の国は、ステーション運用のための資源を提供している。
各国が運用のための分担のため、8分の1の共益費を供出しなければならない。そのためにJAXAは、宇宙ステーションの運用サービスとして補給機を打ち上げるということなので、打ち上げ費用は日本持ちです。
JAXAの予算の中で、ISSの運用コストは年間四〇〇億円になります。今までは開発費として計上されていたものを運用費に廻すので、全体としての予算割合は変更ありません」

以前「NASAがHTV購入を打診」と報じた件ですが、NASAからはHTV使用に関しての問い合わせはあったそうです。 ただしそれが直ちにイコール購入というわけではないでしょうね、打ち上げは日本で出来るわけですから。 「きぼう」が稼働して以降のISSにかかる予算はこれまでと同じ割合だそうです。

8/23:JAXAタウンミーティング@岸和田 [松浦晋也のL/D]

松浦さんも途中までですが詳細にレポっておられます。

Q:広報活動がごく普通の人に届いているとは思えない。広報の充実についてはどう考えているか。
舘:なによりの広報は衛星ロケットすべてがうまくいくことだと思う。私たちは、テレビ報道においてJAXAの話題が何秒間放送されたかという調査をしているが、星出飛行士シャトル搭乗のニュースはコマーシャルとして2億円の価値があった。マスメディアの一般への影響力ではまずテレビ、そして新聞という順番になる。講演や展示の影響規模は小さい。まずマスメディアである。どうやってマスメディアに情報を提供できるかを考えている。

やっぱりテレビ報道での影響が最も大きいようです。 「2億円の価値」というのはそれだけの費用に相当するという意味でしょうか。

私は、2014年打ち上げがタイムリミットと聞いている。これ以降になると今のところ適当な目標天体が存在せず、その次のチャンスが2018年になるのだという。こうなると、「マルコポーロ(はやぶさMark2)」と実施時期がかぶってしまうので、「はやぶさ2」は自動的に消滅する。

逆に言えば2013年か2014年打ち上げとなると、たとえ海外の打ち上げ手段調達が失敗に終わっても、H-IIAによる打ち上げがあり得るということだ。

どうやら探査ターゲットの関係で2014年がタイムリミットのようです。