浮上するGXロケットの安全保障用途転用 意外に多い利点、民生と安全保障を分離 [日経BP]

GXを安全保障用途の打ち上げ手段と位置付けるならば、開発の主体として予算を支出するのは文部科学省経済産業省ではなく、防衛省となるべきだろう。このことは、日本の民生宇宙開発と安全保障関連の宇宙開発の両面に利点をもたらす。

まず文部科学省JAXAにすれば、GX開発に今後必要とされる予算を支出する必要がなくなる。第2段のLNGエンジンだけは完成までJAXAが関与する必要があるだろうが、その後はIHI防衛省の間の問題ということになる。

GXは今後完成までに、射場を新設せずにアメリカから打ち上げるとした場合でも、今後4年で900億円近くがかかると見積もられている。種子島に射点設備を整備した場合にはこれが最大1500億円近くまで膨れあがる。年間1800億円程度の予算規模のJAXAが、年間220〜400億円を負担するのは、たとえ政策的な特別の予算措置を受けたとしても容易なことではない。

防衛省がGXを引き受けるならば、予算負担を逃れたJAXAはその分資金的リソースを本来の宇宙開発にかけることができる。

一方防衛省から見ると、年間220億円からの負担で、自らの意志で自在に運用できる打ち上げロケットを入手することができる。決して小さな額ではないが、年間約5兆円の防衛予算からすれば相対的に小さな額だ。実用的なロケットをゼロから開発することを考えれば格安である。また防衛省は、アメリカとの協力関係がもっとも緊密な官庁であり、米バンデンバーグ基地からの打ち上げにも違和感を持たないだろう。

ここへきてIHIの責任者もGXは防衛利用と言い出してますが、これは上手い事押し付けたものですねw 松浦さんは防衛は防衛で予算的に別立てにするべきと主張してますしその意味では筋が通っています。 いずれにしろ種子島での打ち上げは予算的に有り得なくなってきてますし、仮に防衛主体で打ち上げる事になったとしても既存施設をハリネズミ化する必要はほとんど無くなりますね。

なによりも今後の大型化までを考えると、GXは有望である。GXの打ち上げ能力が機体規模の割に低いのは、第2段LNGエンジンの比推力が小さいからだ。第1段に使うアトラスV第1段は、技術的なスジの良い優れたロケットであり、第2段を高比推力の液体酸素・液体水素エンジンに換装することによって、簡単に打ち上げ能力をH-IIA並みに引き上げることができる。上段強化による大型化まで考えれば、GXの可能性は大きく広がる。これは将来的に、防衛省静止軌道に大型の早期警戒衛星などを打ち上げる時に役立つだろう。

ちょwwwそれもうGXちゃう!LNGはどこに!