奥州ゆかりのクレーター 「かぐや」が撮影 [岩手日報]

宇宙航空研究開発機構(東京都調布市JAXA)は29日、月周回衛星「かぐや」が撮影したクレーター「Kimura」の画像を公開した。同クレーターは、奥州市国立天文台水沢VERA観測所の前身で、旧緯度観測所初代所長、木村栄(ひさし)氏(1870―1943年)が名称の由来。

クレーターは、月の裏側にあり、南緯57度10分、東経118度40分に位置。直径約28キロの円形で中規模の大きさ。かぐやの地形カメラが3月に撮影、プロジェクトにかかわる研究機関・SELENEの協力を得てJAXAが立体的に加工した。

これまでもクレーターをとらえた画像はあったが、高解像度での撮影は初めてという。

JAXAなどによると、日本人の名前が由来となっているクレーターは11個。木村氏は1902年、緯度変化を説明する新しい項(Z項)を発見した。

国立天文台RISE月探査プロジェクト(奥州市)の佐々木晶室長は「木村所長が発見したZ項は、当時の日本の天文学の最大級の成果。その志は、かぐやにも受け継がれている」と話す。

画像は「かぐや」画像ギャラリーに上がっています。