それでも月には水は存在する、米研究者が論文発表 [Technobahn]

90年代末に行なわれたNASAの月探査によるデータで。

研究グループは新手法の分析方法を使うことによりルナ・プロスペクターの中性子線分光計による月面探査データを再調査することによって、特に月の北極の近くに水素が多く存在していることを再発見することに成功した(画像参照)。

研究グループではこれらの結果から、水素が多く存在していることが確認された月の北極の部分には岩石1キログラムあたり10グラムの水が氷として含有されているものと見ている。

NASAでは当初、月の南極にあるシャクルトン・クレーター(Shackleton crater)に氷が存在する可能性があるとして、2015年頃に予定されている有人月探査計画ではシャクルトン・クレーターに恒久的有人基地を建設することを計画。しかし、日本が2007年に打上げた月観測衛星「かぐや」による調査では、シャクルトン・クレーターからは氷の存在は確認することはできていなかった。

今回、研究グループが発表した調査結果は「かぐや」の調査結果を裏付けるものともなっており、この調査結果が正しければ、将来予定されている有人月探査計画での着陸予定ポイントも南極から北極へと大きく変更される可能性もでてきた。

地表で凍結しているのか、地下で岩石と混じり合っているのか、どういう状態で存在するかがキモですね。 「かぐや」によるシャックルトンクレーターの観測では地表に大きく露出した形では存在しないだろうという結果でしたが、今後は北極の観測・解析を進めるという話ですので併せて期待したいところです。