テポドン迎撃を検討 防衛省、MDシステム初実戦 [産経]

北朝鮮が長距離弾道ミサイルテポドン2号」の改良型を日本に向けて発射すれば、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する検討を防衛省が始めたことが26日、分かった。迎撃するのはイージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で、導入から初の運用となる。ただ、迎撃は重大な政治決断を伴うため、首相官邸などと慎重に調整を進める。

政府は平成15年、米国が開発したMDシステムの導入を決定した。MDによる対処は2段構えで、まず海上自衛隊イージス艦がSM3で大気圏外で弾道ミサイルを撃ち落とし、失敗した場合は航空自衛隊が地上で運用するPAC3で迎撃する。

北朝鮮が18年7月にテポドン2号を含む弾道ミサイル7発を発射した際、自衛隊は迎撃システムを備えていなかった。こんごうとちょうかいの2隻も日本海と太平洋側に展開したものの、弾道ミサイルの探知・追尾だけが任務だった。

テポドン2号改良型の迎撃に踏み切る場合、MDシステム導入で自衛隊法に新たに規定した「弾道ミサイル等に対する破壊措置」を初適用することになる。

破壊措置には、(1)燃料注入など発射の兆候がある場合、防衛相が首相の承認を得て自衛隊の部隊に迎撃を命令(2)明確な兆候はないものの、ミサイル実験などへの警戒が必要な際、防衛相はイージス艦などを展開させておき、あらかじめ作成された「緊急対処要領」に沿って迎撃する−の2つの運用方式がある。

北朝鮮は24日、実験通信衛星光明星2号」の打ち上げ準備を行っているとの談話を発表。人工衛星発射を“隠れみの”にテポドン2号改良型を発射してくる可能性が高いため、迎撃に向けた政治決断とともに、どちらの運用方式で迎撃を命じるかも今後の政府内の調整の焦点となる。

まあ北朝鮮が発射時刻や飛翔コースやらを公表する可能性は低そうですし、もし再び日本上空を横切るようなコースで勝手に飛ばしてくるようならその場合に備えて当然検討すべきでしょう。 勿論外交問題にも絡んできますので慎重な判断になるでしょうが、積み荷が何だろうとテポドン発射そのものが協定違反に違い無いわけですし、これは本来こういう時のためのものです。