北朝鮮テポドン関連

北朝鮮がミサイル発射 米「衛星軌道侵入は失敗」 [朝日]

どうやらちゃんと日本列島を飛び越えたようです。 そして軌道投入は失敗した模様。 おめでとうございます。

24時間体制で宇宙の衛星の状況やミサイルなどによる北米への攻撃を監視しているNORADは5日の発表で、北朝鮮が発射したのは「テポドン2」としたうえで「何も衛星軌道にのせられなかった」と指摘。北朝鮮が主張するロケットによる人工衛星の打ち上げは失敗だったと明らかにした。日本政府も米国政府から同様の情報を伝えられた。

韓国の李相憙(イ・サンヒ)国防相も5日、国会で「どんな物体も軌道に進入しなかった。人工衛星の発射を試みたが軌道進入に失敗したとみている」と述べた。ロケットもミサイルも基本構造は変わらず、日米韓3カ国などは「弾道ミサイル」の発射として批判を強めている。

防衛省の中央指揮所は午前11時31分ごろ、米国の早期警戒衛星による発射情報を確認。日本政府は同32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された」と発表した。政府の推定では、同37分ごろ、日本の領空のさらに上を太平洋上へ通過、ブースターの1段目は秋田県の西約280キロ、おおむね北朝鮮が事前通告した危険区域内の日本海に落下した。

2段目について、政府は一時、北朝鮮が事前通告した危険区域の約900キロ手前に当たる、日本の東1270キロの太平洋上に落下するとの予測を発表したが、確認はできなかった。日本の東約2100キロの太平洋上まで追尾したが、レーダーの捕捉範囲の限界を超えたため、11時48分ごろ追尾をやめた。

政府は万が一の打ち上げ失敗に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)などを配備したが、日本への落下物はなかった。

NORAD and USNORTHCOM monitor North Korean launch [US Northern Command]

Stage one of the missile fell into the Sea of Japan/East Sea. The remaining stages along with the payload itself landed in the Pacific Ocean.

No object entered orbit and no debris fell on Japan.

NORADによると上段とペイロードは太平洋に落下したそうです。 こちらは信頼できる情報なので確定でしょう。 まあとりあえず、被害の出るような状況にならずに済んで良かったですね。 落下物が向かってこなかったためMDも対応せず。

北ミサイル「2、3段目が一緒に落下」=「衛星」打ち上げは失敗−韓国高官 [時事]

韓国政府高官は5日、北朝鮮が発射した「長距離弾道ミサイル」に関する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の分析として、「ロケットの2段目と3段目が同時に太平洋に落ちたと米国が評価している」と明らかにした。聯合ニュースが伝えた。
同高官は「(衛星が)軌道に乗ったということはない」と語り、北朝鮮の「衛星打ち上げ」は失敗だったと強調した。正確な地点は不明としながらも、2段目と3段目は当初の計画よりも早く落下したとの見方を示した。

どうやら2段と3段は分離失敗でしょうか。 日本側によるリアルタイムの分析では第2段の落下範囲が日本から約2100km以降だったものが約1200km付近に落下するという予測が出されたようですし、整合性はあります。

北朝鮮「衛星打ち上げ成功」と発表 [産経]

北朝鮮朝鮮中央通信は5日、人工衛星光明星2号」が同日、運搬ロケット「銀河2号」によって舞水端里の東海衛星発射場から打ち上げられ、軌道進入に成功したと報じた。

人工衛星は「午前11時20分に打ち上げられ、9分2秒後に軌道に正確に進入させた」という。3段式の運搬ロケットと人工衛星は、「国の宇宙科学技術をより高い水準に引き上げるための闘いで収めた誇らしい結実である」とした。

人工衛星からは「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」のメロディーと観測データが地球に送られていると主張している。

一方、例によって今回も北朝鮮は軌道投入成功と主張しているようです。 エア衛星。

2段目ロケットはどこへ?割り出しには時間 [産経]

1段目は各種レーダー情報を総合して映し出されるディスプレー上で予測地点への落下を確認できたが、2段目は「画像だけでは物体の落下をはっきり確認できなかった」(防衛省筋)という。北朝鮮は事前にロケットが落下する危険区域を日本の東側2150キロから先と通告しており、防衛省の事前予測通りだと2段目は約900キロ手前で落下したことになる。

防衛省は2段目は「切り離されたかどうかも含めて、現時点では断定できない」としているが、河村建夫官房長官は5日の記者会見で「2段目は日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと推測される」と明言。「北朝鮮側の(設定した)危険地域よりはかなり手前になった」と述べた。

どうやら2段目以降の落下位置は解析待ちのようです。

容易ではないが…ミサイル落下物回収、政府が検討へ [読売]

政府は、北朝鮮が発射したミサイルからの落下物について、回収に向けた対応を検討する。

ミサイルのエンジンを回収できれば、ノズルの構造や燃料の種類などをもとに、北朝鮮の技術力が推定できるからだ。

1段目ブースターの落下地点は秋田県沖約280キロの日本の排他的経済水域EEZ)で、水深約1520メートル。北朝鮮人工衛星を搭載したと主張する2段以降は太平洋の公海上に落ちたとみられる。自国のEEZや公海であれば探索実施に国際法上の問題はない。

海底探索に成功した例としては、1999年11月に打ち上げに失敗し、高度130キロの上空から小笠原諸島父島の北西約380キロの海域に墜落したH2ロケット8号機の1段エンジンがある。海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)が無人探査機を潜水させ、音波探知機や高性能テレビカメラを使って、水深3000メートルの海底で発見。サルベージ会社がエンジン本体を引き揚げた。

また、2008年2月に海上自衛隊イージス艦「あたご」と衝突して沈没した漁船「清徳丸」は、水深1830メートルの海底で同機構の無人探査機が確認。その一部を引き揚げた。

しかし、海底に沈んだ落下物を無人探査機で探索することは容易ではない。海面の落下位置を正確に把握することが困難なうえ、落下後も風や海流で流されるためだ。同機構によれば、海底探索の費用は1日あたり600万〜2000万円かかるという。

どうやら1段目はEEZ内に落下した模様で、サルベージの検討を始めるようです。 実績はあるのでここは是非回収して欲しい所。 どんな技術が使われているかも興味ありますし。

防衛省、秋田沖で海面変色を発見 1段目の落下推定海域 [日経]

防衛省は5日、北朝鮮の「飛翔(ひしょう)体」発射に関し、秋田県沖を捜索中のP3C哨戒機が、第1段目の落下推定海域で海面の変色を発見したと発表した。発見位置は北緯40度35分、東経135度58分で、秋田沖約330キロ。北朝鮮が危険区域として国際海事機関(IMO)に届け出た落下予想海域内。幅50メートル、長さ3キロにわたって海面が薄く変色していた。同省は「変色は燃料の可能性がある」としている。

P3Cは5日午後零時15分ごろと同3時ごろの2回、同地点で変色を確認した。浮遊物などは見つかっていない。現場海域の水深は約3000メートルとしている。海上保安庁などと協力し、今後も捜索を続ける。

それっぽいものが発見されたようです。 もし当たりなら話が早いですが、落下物は風向きや潮の流れに左右されるので慎重に。

政府の速報体制、本番では順調 落下位置では混乱も [朝日]

当初は発射5〜10分後に発射の事実、30分〜1時間後に落下場所と、2回程度の速報を予定していたが、より丁寧な発表になった。06年7月の前回発射時に、発射情報を政府が官房長官会見で公表したのが約2時間50分後だったのとは大違いだ。

その後も、関係閣僚を招集した情報集約会議や安全保障会議の開催、河村官房長官の計3回の記者会見、米韓大使との会談、中曽根外相の各国外相との電話会談など、事前に練り上げたシナリオ通りに進んだ。

概ね迅速・的確に対応できたようです。 まあ今回のは練度を上げる機会になったでしょう。

北ミサイル発射・4月5日ドキュメント [読売]

時系列になっていて分かり易いです。