早期警戒衛星の導入検討、月探査も…政府の宇宙基本計画 [読売]

政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)が策定する初の「宇宙基本計画」の原案が明らかになった。

北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、ミサイル発射探知が可能な早期警戒衛星の導入検討を掲げ、月の資源利用のため、月探査を今後の重要な目標としたことが柱だ。今月27日の同本部会合で原案を了承し、国民の意見を募る「パブリックコメント」を経て5月下旬に正式決定する運びだ。

安全保障分野での宇宙利用については、「国連安全保障理事会決議や国際社会からの自制を促す声にもかかわらず、北朝鮮がミサイルを発射した2009年4月の動きを見れば、宇宙の役割は今まで以上に高まっている」と指摘、早期警戒衛星の導入の検討などを盛り込んだ。

具体的には、安全保障を目的とする衛星システムについて5年間の開発利用計画を設定し、早期警戒衛星導入に必要なセンサー研究などの着実な推進を行うとした。また、現在3基が稼働中の情報収集衛星を5年以内に4基体制にするとした。防衛政策全体の中の位置づけは、今年末までの防衛計画大綱、中期防衛力整備計画の改定作業に委ねることとした。人工衛星計画の全体像としては09〜13年度の5年間に計34基の衛星打ち上げを示した。

また、中国の弾道ミサイルによる人工衛星の破壊実験や、米国とロシアの人工衛星の衝突事故を踏まえ、部品の破片などの「スペースデブリ宇宙ごみ)」が増大すると予想。「デブリ発生の低減やデブリの監視強化など、国際社会と連携して、環境の保全に率先して貢献する」とした。

一方、月探査については、「世界をリードして資源利用の可能性を探るため、月面有人活動を視野に入れた探査を検討し、1〜2年程度かけて意義や目標、資金見積もりなどを検討」とした。その上で、〈1〉20年ごろをメドに、二足歩行ロボットによる高度な無人探査を実現する〈2〉次の段階として人とロボットの連携による本格的な探査を目指す――との目標を示した。

まあ、概ねこれまで通りって感じですね。 パブリックコメント募集は今月27日以降らしい。 何か釘を刺しておくべき事があればそちらへ。

宇宙基本計画、関連予算5年で倍増 政府原案 [日経]

宇宙開発を産業政策の一環としても位置付ける方針を明確にし、低利融資や税制優遇などの支援策を検討する。宇宙関連予算は、5年後に倍増の年6000億円台を見込む。

まあ実際これくらい予算の裏付けがあるなら良いんですけど。 それより月の有人探査の話が特にそうですが、その前段階のプロセスというものをはっきり明文化するべきだと思うんですよね。 またぞろISSよろしくアメリカにおんぶにだっこじゃ目も当てられませんし、HTVを有人往還機化するくらい書けないようじゃちょっと説得力を感じません。 JAXAはさりげなくアピールしてますけど結局は上の姿勢が肝心ですよね。 あと二足歩行ロボットを送り込んで無人探査っていうのも一足飛びどころじゃないですし、SELENE-2はどうなるんだという気もしてきます。 あとその他の探査計画の扱いはどうなってるんでしょうかね。