かぐや、月面からウランを検出 [sorae.jp]

「かぐや」のガンマ線分光計(GRS)の観測データを用いた研究で、月面から放射線物質が検出されたのは今回が初めて。また、ウランの他、トリウム、カリウム、酸素、マグネシウムなども検出されているという。

「今まで一度も報告されたことのないウランを検出した。我々は他にも新しい元素を発見しており、古いデータとの照合も現在行っている」

今回の発見について、「かぐや」GRSチームのメンバーで、惑星科学会(PSI)のロバート・リーディ(Robert Reedy)氏はこのように述べた。

研究成果は既に「第40回月惑星科学学会」で発表されており、論文の主執筆者は早稲田大学の長谷部信行教授と山下直之教授である。

月面のエネルギー資源について、これまでの観測ではヘリウム3しか発見されていないが、ウランの発見によって、月探査計画の新しい探査目標が増えただけでなく、将来、月面基地での原子力発電所の建設や、地球にウランを持ち帰る計画などにもつながるかもしれない。

いよいよ組成に関する観測成果が出始めましたね。しかもウラン。どのような形で分布しているのか気になる所です。
同じく元素分布を調べるXRS(蛍光X線分光計)は太陽の活動自体が弱すぎてどうにもなりませんでしたが、GRSは途中で不具合が直って本当に良かった。今後どんどん成果が出て来るでしょうし、ある意味「かぐや」の活躍はこれからが本番という感じです。

子衛星「おうな」仕事納め 奥州・水沢の国立天文台 [岩手日報]

宇宙航空研究開発機構JAXA)は29日、月周回衛星「かぐや」計画最後の観測機、子衛星「おうな」による観測を終了した。おうなを開発した奥州市水沢区国立天文台RISE月探査プロジェクト(佐々木晶プロジェクト長)も最後の電波を観測、感慨に浸った。

おうなは、かぐや本体が落下した11日以後も月を周回。同プロジェクトが太陽の放射圧に関するデータなどの観測を続けた。

JAXAは29日午後9時、おうなの電波源を切断、観測が一切終了した。水沢区の観測棟には約10人の研究員が集い、モニター上で消えた波形を確認、JAXAに報告した。

佐々木プロジェクト長は「子衛星で系統的に月の重力観測を行った世界初のミッション。長い計画が終わったという気持ちと、自分たちの手で衛星を観測した充実感がある」と語った。

同プロジェクトはかぐやの子衛星2機とレーザー高度計を開発。子衛星「おきな」は2月に、かぐや本体は11日にそれぞれ観測を終え月面に落下した。おうなは観測終了後も数十年、月を周回し続ける。

「おうな」が停波されたようです。「おきな」や「かぐや」よりずっと安定した楕円軌道を回っているので数十年は回り続けるそうです。お疲れ様でした。