小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンが海外展開へ [Robot Watch]

NECと米Aerojet-Generalは8月3日、人工衛星向けイオンエンジンの開発・販売について、協業していくことを発表した。NEC宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジン「μ10」をベースに、汎用化していく。今年10月末までに正式合意し、2011年の販売開始を目指す。

人工衛星は非常に数量の少ないビジネスである。基本的に1回の受注で1機しか作らないし、頻度もそう多いものではない。これが高コストになっている一因ともいえる。低コスト化には、売る数を増やす必要があるが、国内需要だけでは十分な規模を確保できない。同社は、宇宙事業について「産業化を目指して積極的に海外展開していく」としており、今回、米社との協業を決めた。

今回、米Aerojet-Generalと協力して販売していくのは、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された「μ10」と呼ばれるイオンエンジン。μ10は「はやぶさ」に最適化された“一品もの”であったが、他の衛星にも搭載できるように、インターフェイスを汎用化する。具体的には、データ通信や電源システムのI/O部で、モジュール化により交換を容易にする。また推力についても、オリジナルの8mNから10mNに向上させることを考えている。

JAXAでは、次世代のイオンエンジンとして、直径を20cmに大型化した「μ20」の開発も進めているが、こちらは協業の対象には含めない。海外販売するのは、「はやぶさ」のμ10(直径10cm)をベースに改良したものだけだ。μ10の開発成果利用に関する許諾等は、現在、JAXANECで調整中とのことだ。

協業では、米国市場でノウハウがあるAerojetが機器仕様を提供する。性能の向上やインターフェイスの汎用化をNECが行ない、日本市場・米国市場でのマーケティングはそれぞれが担当する。協業合意は今年10月末までに締結し、2010年1月より米国市場で提案活動を開始、2011年よりイオンエンジンを販売する予定だ。

「長寿衛星」 NEC攻勢 新型エンジン 米社と開発 [FujiSankei business i.]

NECと協業するエアロ社はロケットや人工衛星のエンジン分野の大手メーカーとして世界的に知られる存在だ。

ただ、NECの製造している新型イオンエンジンは手がけておらず、新たにラインアップに加えることで商品の「提案力」強化を狙う。両社は今年10月末までに最終合意し、来年1月から米国市場での提案活動を開始する計画だ。これに合わせて、はやぶさ向けに絞っていた仕様を他にも広がる。

また、高速噴射による推進力を20%引き上げるといった共同開発も進め、米国の人工衛星向け小型イオンエンジン市場で6割以上のシェア獲得を目指すことにしている。

はやぶさ」の技術が世界へ。こんなこともどんなこともあった極限仕様エンジンですがw、汎用化して小型衛星から深宇宙探査機まで幅広くターゲットにするそうです。これは「はやぶさ」搭載のμ10を改良したもので、これとは別に開発中である通常の3倍の推力を出すμ20(大口径化)やμ10HIsp(高電圧化)などは対象外の模様。まあこっちは最新兵器ですから。逆にμ10は枯らしていく段階に入ったという事ですね。