今週のはやぶさ君 [ISAS/JAXA]

今週のはやぶさ君に久々のビッグイベントが発生した模様です。

はやぶさ君は今日も元気に航行を続けています。

8/13に、はやぶさ君がセーフホールドモードに入っているのが発見されました。 現在までに、原因究明と復旧作業が終わり、大過なく「遠日点に伴うイオンエンジン停止期間」に入っております。 地球帰還への影響はありません。

これらのデータを良く調べたところ、はやぶさ君の姿勢を監視している機器にシングル・エラー・アップセット(SEU)が起こり、間違った情報を出し、これを異常だと判断した はやぶさ君がセーフホールドモードに移行したようです。
SEUとは、宇宙放射線などの荷電粒子がメモリの素子に当たることにより、その素子に書き込まれていた情報が、反転してしまう、一時的なエラーです。
そのメモリを、もう一度書き直してやれば、このエラー自体は、すぐに解決できます。
間違った姿勢情報を貰った はやぶさ君は、これに対して冷静に対処しました。イオンエンジンリアクションホイールを止め、セーフホールドに入ったのです。

今は、はやぶさ君が遠日点付近にいることもあり、発電量にゆとりがありません。また、バッテリも使えなくなっておりますので、消費電力が発電量を一瞬でも上回ると、 はやぶさ君のブレーカーが落ちてしまいます。
万が一、はやぶさ君のブレーカーが落ちてしまったら、はやぶさ君は死んでしまいます。けれども、イオンエンジンを再点火する時には、どうしても、つけっぱなしにしておく時よりも少し余計に電気がいるのです。

そこで、しばらくは、イオンエンジンを止めたまま、太陽電池パネルを太陽に向けて回転しながら時期を待つことにしました。9月下旬になって、はやぶさ君がもう少し太陽に近づいて、電力事情が改善されたら、イオンエンジンの再点火を行う予定です。

というわけで、ビットエラーによりセーフモードに入っていたそうです。機器に異常はないそうで何より。遠日点を過ぎてからイオンエンジンなどを再起動するそうです。