三菱電機のHTV技術、米宇宙船に採用へ 60億円で米社から通信装置受注 [産経]

うおっ、来た!! こないだ聞いたばかりの話がこんな早く実現するとは。おめでとうございます。

三菱電機は22日、人や物質を運ぶ宇宙輸送船「シグナス」を製造する米オービタルサイエンス(バージニア州)から、高速飛行する国際宇宙ステーション(ISS)に衝突しないよう徐々に接近するために必要な通信装置を受注した、と発表した。受注総額は6600万ドル(約60億円)。日本の宇宙技術がアメリカの宇宙輸送船の開発に採用されるのは初めて。

今回受注したのは、先月11日に打ち上げられた日本の宇宙輸送船「HTV」が、ISSに接近する際に使用した通信装置「近傍接近システム」。同措置は三菱電機宇宙航空研究開発機構JAXA)との契約に基づき開発した。同社は今後、9機分を平成22年から26年にかけて順次納入する。

米航空宇宙局(NASA)は、来年にもスペースシャトルを引退させる方針で、後継の宇宙輸送船を民間企業2社に発注。このうち1社がオービタルサイエンス。日本から技術を購入することで、宇宙船の開発期間やコストを抑える狙いがあるとみられる。

お相手はOSCだそうです。

米オービタルサイエンス社から、NASAの宇宙貨物輸送機用近傍接近システムを受注 [三菱電機]

三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、国際宇宙ステーション(以下、ISS:International Space Station)へ貨物を運ぶ米航空宇宙局(NASA)の宇宙貨物輸送機「シグナス」に搭載される近傍接近システム※1を、「シグナス」を製造する米オービタルサイエンス社(本社:米バージニア州ダレス市)から受注しました。この近傍接近システムは、当社が宇宙航空研究開発機構JAXA)との契約に基づき宇宙ステーション補給機「HTV」用に開発したものです。
受注総額は約60億円(6,600万米国ドル)で、当社の鎌倉製作所で製造し、2010年から2014年にかけて9機分を順次納入する予定です。

現在、ISSへ補給物資や実験設備などの貨物を輸送する手段として使用されているスペースシャトルは、2010年に退役が予定されています。「シグナス」は、スペースシャトルの代替として米オービタルサイエンス社NASA向けに開発を進めている宇宙貨物輸送機です。2011年に実証機が打ち上げられ、2011年から2015年の間で8機の量産機がISSへ貨物を輸送する計画です。
当社が受注した近傍接近システムは、「シグナス」がISSとランデブドッキングするときに、日本実験棟「きぼう」に搭載されている近傍通信システム※2と姿勢制御データや動作状態をやり取りし、ドッキングを安全に誘導する重要な通信機器で、ISSとの通信を行うトランスポンダ、送受信を1本のアンテナで行うダイプレクサおよび各データを処理するデータハンドリング・プロセッサで構成されています。
当社は、「きぼう」に搭載された近傍通信システムとJAXA宇宙ステーション補給機「HTV」に搭載されている近傍接近システムを開発し、本年9月11日に打ち上げられた「HTV」は、9月18日にISSへのランデブドッキングに成功しました。
今回の受注は、この技術と実績が評価されたものです。
※2:ISSの軌道位置・速度情報を宇宙貨物輸送機へ提供する通信装置、Proximity Communication System

三菱電機、オービタルサイエンス社からHTV用の通信システムを受注 [sorae.jp]

一方、オービタル・サイエンシズ社はアメリカ航空宇宙局NASA)の商業軌道輸送サービス(COTS計画)に参加しており、国際宇宙ステーションへの物資輸送にタウルス2ロケット(Taurus II)とシグナス宇宙船(Cygnus)を提案している。

シグナス宇宙船は2300kgの物資を国際宇宙ステーションへ運び、1200kgの物資を地球へ持ち帰ることが可能となっており、同社は宇宙貨物輸送機用近傍接近システムをそのままシグナス宇宙船に搭載する見込み。なお、タウルス2ロケットによる初のデモ打ち上げは2010年内に行われる予定となっている。

HTVの技術 米宇宙船に採用 [NHK]魚拓

今回のシステムは、時速2万8000キロという猛スピードで飛行する宇宙ステーションに無人で接近するには欠かせないものですが、NASAにはない技術だということです。これについて、オービタルサイエンス社のカール・ワルツ副社長はNHKのインタビューに対し、「今回の技術は、日本が世界をリードしている。現在進めている宇宙輸送船の開発の期間やコストを抑えるためには、購入することがベストと判断した」と話しています。

今回受注したシステムはPROXらしい。産地は鎌倉。これはISS近傍における接近運用で使用される通信機器で、ISS側は「きぼう」に設置されています。既にHTVで運用実績のあるシステムを導入することで開発コストを抑えようというわけですね。シグナスはHTVなどと共にシャトル退役後の輸送任務を担うべく開発が進められていますが、ドッキング方式はHTVと同じようにアームで把持・結合するようになっています。そこで先日見事にドッキングに成功したHTVの関連技術が評価されたんでしょうね。やはり先鞭を付けた意義は非常に大きかったようです。

三菱電機が60億円で受注=NASA輸送機の通信装置 [時事]

三菱電機によると、実験用の装置を除けば、日本企業の開発したシステムがNASA向けに採用されるのは初めて。三菱電機は今回の受注をてこに宇宙事業を拡大。10年後をめどに同事業の売り上げ規模を現在の倍の1500億円に増やしたい考え。

もちろんスラスタや太陽電池パネルといった日本製部品は高いシェアを取ったりしてますが、システムとしては初めてらしい。

追記:

三菱電機:NASA輸送機に搭載の通信システム受注 [毎日]

実験機器以外の同社の装置が、米国の衛星や宇宙輸送機に採用されるのは初めてという。

どうやら三菱電機の製品としてという意味だったようです。