情報衛星打ち上げ H2A10機連続成功 「完成度の高さ示せた」 [読売]

センター内の竹崎観望台では、背広姿の政府関係者らが、ロケットが飛び立つと手をたたいて喜んだ。打ち上げ後の会見で、滝野欣弥官房副長官は「本当にうれしい。関係機関、地元の方々にお礼を申し上げたい」と笑顔を見せた。

一方、H2Aロケットの打ち上げは今回で2005年2月の7号機以来、10機連続の成功となった。三菱重工業大宮英明社長は「日々の作業がスムーズで、不具合も少なくなっている。今回の打ち上げで完成度の高さを示せた」と胸を張った。

当日は官房副長官種子島入りしていたらしい。H-IIBに続いて着実に仕事をこなし更に信頼性を高めましたね。

射場チーム長 並河さん 重責果たし安堵の笑顔

「良かった。また次が打ち上げられる」。種子島宇宙センター内の総合指令棟で、衛星の分離を確認した瞬間、三菱重工業の射場チーム長・並河達夫さん(51)=写真=は、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

射場チーム長はロケット打ち上げ全般の現場責任者。作業進行状況の確認を行い、トラブルが起きれば処置方針を決定する。今年4月に就任し、打ち上げは9月の新型ロケットH2B1号機に続いて2回目となる。

神戸市出身。SF小説が好きで宇宙に興味を持ち始めた。小学5年生だった1969年、アポロ11号の月面着陸の中継に興奮し、宇宙開発の道に進むことを決意。京都大工学部で航空工学を学び、81年の入社以降、28年間にわたってロケット開発に携わってきた。

「若い頃は、自分で宇宙に出ることが夢だった。『死ぬなら宇宙で』と本気で思っていたくらい」と話す。今はロケット製造を担う後継者の育成にも力を注ぐ。マニュアル化を進めるなど、専門技術を分かりやすく伝承することに余念がない。

それだけに、自分が携わったロケットが失敗し、日本の宇宙開発の歩みを中断させてはならないとの思いは強い。「宇宙へロケットを飛ばすためには何が必要なのか、真剣に考えることができる人材を育てていきたい」と力を込めた。

人材を途切れさせないことは最も重要ですね。他方、たった一度の失敗でやたらと足踏みを余儀なくされる風潮もそもそもどうかと思うわけですが…。民間であることを生かしたフットワークの軽さも期待したいと思いますね。