「夢ではない」実現可能性が増す宇宙太陽光発電──宙博の講演と展示から【前編】 [環境メディア]

(via:副長日誌 - 私的記録)

は現時点でのSSPSの課題としては、(1)どのような衛星軌道を取るか、(2)どうやって軌道まで持って行くか、(3)どうやってエネルギーを伝送するか(マイクロ波は無害で環境に影響を与えないか)などといったことが挙げられる。

軌道として考えられているのは、静止軌道、太陽同期軌道、準天頂軌道の3つ。それぞれ長所と短所がある。

どうやらSSPS構想では静止軌道以外にも極軌道や準天頂軌道も検討されているらしい。そんなのもアリなんだなあ。

「夢ではない」実現可能性が増す宇宙太陽光発電──宙博の講演と展示から【後編】 [環境メディア]

狼氏によれば、SPSS実現に当たっての解決すべき課題は多いが、工学的にまったく不可能であるとかまったく未知であるものは基本的に1つもなく、過去20年間の技術の進展によって実現性とコスト低減の問題は少しずつ改善されてきている。残された主な課題には、ロケットでシステムを打ち上げるためのコストの低減、太陽電池効率のさらなる向上、高温超電導ケーブルのための冷却システム実現、マイクロ波による送信・制御技術の熟成、宇宙空間でのシステム組み立てやメンテナンスのためのロボット技術の熟成などがある。

最も難しい課題は打ち上げコストの低減。SSPS衛星は 100万キロワット級でおよそ2万トンの質量と見積もられている。日本最大のH-IIBロケットでも静止軌道への投入能力は最大8トンであり、単純計算で 2500回の打ち上げが必要となってしまう。MITでのワークショップにおけるコストの推定資料によれば、現在1キログラムの打ち上げに2万ドルもかかるため初期コストの大部分が打ち上げコストで占められており、これをいかに安く抑えるかが重要な課題。

根本的な所で言えば輸送系のブレイクスルーが必要ですよね。大量のペイロードをピストン輸送するSSTOが安価で運用できるようになればかなり芽があると思いますが、これも軽量素材の開発がネックになってますし。軌道エレベーターというのもまた更にその先にある気がします。

日本では次のステップとし て、小型衛星を低・中高度軌道に打ち上げ送電実験をやろうという構想がある。高度1268キロメートル、軌道周期110分・1日13回地球を回る回帰軌道 を使い、送電アンテナは直径13〜18メートル、受電側は半径約5キロメートルの大きなフィールドにレクテナを多数配置して1.3キロワット程度の電力を 得ようとする実験。蓄電や放熱などの技術的課題に関する実証実験となる。
狼氏は 「(日本が SSPS関連技術で先端を走っているのは)米国が研究を中断していた間もこつこつと研究を重ね技術開発を進めてきた成果」とした上で、「日本の要素技術、 特に材料技術・部品技術は極めて優れている。コンポーネントを組み立てる精度・信頼性は世界に冠たるものがあるが、大きなシステム全体をデザインするとい う能力には欠けている。われわれはなんとかこのレベルを引き上げてSSPSのようなシステムを世界に先駆けて実現したい」と話し、来場者の大きな拍手を浴 びていた。

こういう所でたまにコツコツと出し抜いちゃってるのがいかにも日本らしいというかw 是非成功させて次世代エネルギー開発に先鞭を付けて欲しいですね。