09/12/30: NASA、将来の月・惑星探査計画候補に3計画を選定 [月探査情報ステーションブログ]

NASAは29日、将来の月・惑星探査計画として、新たに3つの計画を最終選考候補として選定しました。この3つの計画は、月、小惑星、金星をめざすもので、最終的に選定されるのは2011年中頃になりそうです。

今回選定された計画は、以下の3つです。
○SAGE (セイジ)
 金星探査計画です。名称は、「地表・大気科学探査機」(Surface and Atmosphere Geochemical Explorer)の頭文字をとったものです。金星大気に2つの突入機(プローブ)を投下し、このプローブが降下中に金星大気の組成や気象情報などを取得します。最終的にはプローブは金星表面へ軟着陸します。1つのプローブは金星の古い大地、1つは新しい大地に着陸し、大気組成や鉱物組成などを計測します。コロラド大学ボールダー校のラリー・エスポジート氏が探査主任科学者となります。

Osiris-Rex (オシリス・レックス)
 小惑星ランデブー探査をめざす計画です。この複雑な名前は、「小惑星のスペクトルの起源探査、及びレゴリス(表層の土)の安全回収をめざす計画」という英語(Origins Spectral Interpretation Resource Identification Security Regolith Explorer)の頭文字からなっています。その名の通り、小惑星の表層物質を50グラム程度回収し、地球に持ち帰ることをめざしています。アリゾナ大学ツーソン校のマイケル・ドレーク氏が探査主任科学者になっています。

○MoonRise (ムーンライズ)
 月の南極探査の計画です。月の南極にある太陽系最大級の衝突盆地、南極−エイトケン盆地に着陸し、そこから1キログラム程度のサンプル回収を行おうという計画です。ワシントン大学セントルイス校のブラッドレー・ジョリフ氏が探査主任科学者を努めます。

Osiris(NASA版「はやぶさ」)再び。「はやぶさ2」は現時点で来年度ようやく予算が付くかどうかというところですが、うかうかしていられない状況は続きます。金星プローブも興味を惹きますね。