小天体の衝突でも大災害か=国際協力で調査と対策を−米科学アカデミー報告書 [時事]

1908年にシベリア・ツングースカ上空で起きた謎の大爆発は、従来の推定より小さい直径30〜50メートルの天体が落下中に爆発した可能性があり、同様の災害が起きる確率は約300年に1回と、予想以上に高いかもしれないことが分かった。米国の科学アカデミーの委員会が31日までに、議会の要請でまとめた小惑星や彗星(すいせい)などの「地球接近天体(NEO)」に関する報告書の中で明らかにした。
この大爆発では、東京都の面積にほぼ匹敵する約2000平方キロの森林がなぎ倒された。都市部の上空で起きた場合は大災害となり、海上の場合は津波を起こす可能性がある。報告書は、NEOの地球への落下や衝突はまれであり、対策にどの程度の予算を充てるべきかは政策判断としながらも、起きた場合の被害は甚大として、国際協力で調査や対策に取り組むことを提言した。
防災策は、まず避難が考えられるとした上で、ロケットや宇宙船を使う三つの方法を検討。NEOの発見から地球衝突まで数十年間ある場合は、軌道を地球からそらすため、宇宙船で押したり、引いたりし続けるほか、米航空宇宙局(NASA)が彗星や月の探査で行ったように、重い衝突体をぶつける方法を示した。
衝突まで余裕がないか、NEOの直径が1キロ以上ある場合は、核爆弾による爆破が最終手段になるという。
報告書は、それ以前に、世界最大の電波望遠鏡(アンテナ直径305メートル)を持つプエルトリコの「アレシボ天文台」などの天文台や、天文・軍事衛星を活用し、NEOの早期発見と詳細な観測に努める必要があると指摘。NASAの探査機「ニア・シューメーカー」が小惑星エロス、日本の「はやぶさ」が同イトカワで行った着陸探査を高く評価し、将来の有人探査にも期待を示した。

どのような手段で天体の軌道を変えるかという点についてはその天体の内部構造も重要になりますね。例えば「イトカワ」のように内部がスカスカだと少しの弾みで分解しかねませんし、どのような被害が及ぶか予測する際にも重要なデータになります。にしても、最近のアメリカの動向を見ると本当に小惑星探査に向いてきてる感じがします。