2010.04.19 筑波宇宙センター特別公開に行ってきた
今年初めての筑波宇宙センター特別公開。
10時頃TKSC着。ただでさえ冬将軍出戻り中なのに雨が降っててかなり寒い。人出もまだかなり少なめ。
金星探査機「あかつき」コーナー
メッセージプレート実物相当品がズラリ。肉眼では全然読めませんが拡大鏡で見えます。てか隣の子供が肉眼で読んでた。音読してた。
偶然おとんとほぼ同じ名前を見付けてドキリとした。一応一族の名前送り付けてあるんですw
初音ミクやケロロ軍曹、宇宙兄弟などの寄せられたイラストもしっかり見えました。
こちらIKAROS搭載プレート。帆の先端部分に取り付けられます。こっちは自分も肉眼で読めました。
「だいち」が観測した筑波周辺画像。
STSミッションポスター。とりあえずマトリックス仕様を頂きました。
ドイツの科学力。
立体視パネル。ガン見してたら目がキンキンしてきた。
「だいち」が観測した氷河地帯画像の立体視模型。
今夏打上げ予定の準天頂衛星初号機「みちびき」。DS-2000バスって黒がデフォなんですか?
SSPSも筑波入り。
よく見るとコーラが。ええ、コーラ分は重要ですよね。
C-1棟でたむろしてると30分くらいで雨が上がっていたので外に。来場者も増えてきました。
H-II焼きなど。
展示館。時々レイアウト変わってます。
「かぐや」エンジニアリングモデル。
上が「おりひめ」下が「ひこぼし」。
「いぶき」。
「こだま」スケールモデル。
「きく8号」スケールモデル。大型展開アンテナのギミックいいなあ。欲しい。
極低温実験。毎度大人気です。バリバリ。
音響体験。何度聞いてもいい音。
まさかの中華鍋アンテナ。
JAXAカート。太陽が出てないためかお休み中。
歩く与圧服。どこにいても人だかりが出来てます。
VCRU。軌道上のはアナログで壊れそうなのでデジタル化したものを急いで開発中。インターフェースのユーザビリティも向上。
多目的実験ラック。来年1月xx日(!?)打上げ予定のHTV-2に勾配炉ラックと一緒に搭載して打上げられる予定だそうです。
燃焼実験チャンバは数年後、メダカ繁殖のための装置は2015年頃。排気はフィルターで濾し取ってJEM内で処理するらしい。2つのコールドプレートで廃熱。
11:30から「だいち」ネタでサイエンスカフェ。整理券の予約制で、お茶かコーヒーが選べます。以下は要約。
災害観測では正確なレーダー観測で地殻変動をキャッチ。最初に地殻変動図を取ったのは阪神淡路大震災の時、「ふよう」による観測だった。先のチリ地震はあまりに広範囲の変動で何度もデータを取って繋いだ。数メートルの隆起。周波数から相対的な値を導き出す(縞模様の周期)。なので変動が大きすぎると判読が困難に。地震は地下プレートの現象なので何が起こっているか見ることは出来ないが、火山噴火の予知はほとんど出来る。マグマがせり上がってくると火山が膨張する様子と観測出来るので定期的に監視。
環境監視では森林伐採などの様子が把握出来る。「ふよう」でやってみたらLバンドが丁度使い勝手がよかったので、「だいち」開発の時に周波数を短くしないのかという政府側とやりあったことも。レーダーは斜め方向に発信。森林が無くなった部分は平坦になり帰ってくる反射が減るため暗く見える。ちょうどブラジル側からの要望があったので提携。
HTV
HTV-Rパネル。RはReturnのR。今田さんも解説で立っておられましたがずーっと捕まってたので隙を見て乱入。以下は覚え書きなうえ話が前後してるので意訳入ってます。自分以外の質問はあまり書いてません。
HTV-Rはようやく始まったばかり。有人への架け橋にもなれば。RはReturn以外にも色々。アニメみたいにR3とか。
−カプセル分離はスライド式?
スライド式。船外パレット用に用いているレール方式を検討している。ただこれはレール部分で打上げ時に数トンの荷重を支えなければいけない。
−カプセル分離は軌道離脱マヌーバ後?
そう。耐熱材はアブレーター。USERSは弾道突入だったがこちらは揚力突入でHTV本体の残骸とは離れた海域に。せっかくだから「ひゅうが」に回収して欲しい。
−与圧部のハッチが2箇所になるが
ISS結合部のCBMでISS側の与圧は保てるので安全性には問題無いと思われる。カプセル側ハッチの直径は80cmで新開発になる。比較的簡易でも大丈夫ではないか。
−2020年までISS延長が決定されたのもあってHTV-Rの開発計画が実現?
それはある。HTVは確実に増発になるだろうが、当初からCBM前提で検討し開発してきたため2020年まで続くとなるとCBMの在庫が不安。ロシアと組むのはちょっと。
−オリオン復活
(脱出カプセルという)用途的にHTVとは競合しないと思われる。
−民間でも進めているが
HTV方式は簡単だろうと思って始めたが逆に難しかった。ドラゴンは今から始めて果たして実現可能か? CCDevのボーイングなどのものが本命かも。(これ?)
−HTV-2以降の部品国産化
スラスタはHTV-3から。LEDはHTV-2から。ISS用LEDの搭載はHTV-2ではまだ。アメリカ製の蛍光灯切れすぎ。
HTV再突入は空撮したい。HTV-1では時間がなかった。やはり夜の方が観察しやすい。H-IIBのフェアリングは結構ギリギリ。試験機での応急処置部分は川崎重工が抜本的に直しているだろう。
−バッテリー
設計変更要求でかなり苦労。重量増し。見直せば500kgは軽くできる。ソーラーパネルは効率を上げるためにガリウムヒ素を用いていて高価。パドル化したら軽量化に繋がるがフェアリングの設計変更がまた必要。
−仕分け
ATVの予算を見てから(略)。JAXA内の空気も… H-Xは設計案を色々検討中。全段液体になるとIHIは… H-IIAは民間移管されロケットの開発が(現状)無くなりバランス悪い。予算を削られる要因にも。明確なビジョンが必要。月有人探査は思いっきり梯子を外されたが着陸船での無人探査は今からでもやればいいのに。
−愛称
昔は航空機なども「よど号」といったように愛称があったが今はない。あくまで輸送インフラなのでいらないと思う派。
とまあ概ねこんな感じの内容でした。その他、「はやぶさ」のおかげで宇宙関係盛り上がってるとかロケットのプラモも出して欲しいとかそういう話もありました。サターンVの超合金は中の人もちらほら持っているそうです。
そんなこんなで結構話し込んでしまいましたが、もしかしたら他にも今田さん待っていた人がいたかも… 今度からは思い付きで聞かずに要点纏めて質問するようにしよう。あとメモも。2・3聞くつもりだったのが随分長くなってしまって憶えきれなかったりもしますし(;´Д`)
気合の入ったペーパークラフト。
「きぼう」・HTV全景。HTVは夏に完成する新しい展示館に移動してダミーの与圧部のっけて展示するそうです。
雨が上がって復活したH-IIの下の野外展示。午後になってから若干気温も上がってきました。
いやー、今回も色々新しい話が聞けて面白かったです。