「はやぶさ」のTCM-4、WPAへの精密誘導完了 [JAXA]

日本時間2010年6月9日15時00分にTCM-4が正常に実施されたことを確認しました。この運用により、豪州WPA内着陸想定地域への精密誘導が完了しました。

探査機の状態は良好です。

2010/06/09 16:39 JST: TCM-4 WPAへの精密誘導完了について [Hayabusa Live]

はやぶさの運用に関して、6月9日 15:00(日本時間)にTCM-4が正常に終了されたことを確認しました。

この運用により、はやぶさは豪州着陸想定地域へ精密誘導されました。なお、はやぶさと地球との距離は、TCM-4終了時点で約190万kmです。

よっしゃー!! よっしよっし! これにより、回収隊のいる地点へのカプセル着陸に向けてより正確な誘導が完了。イオンエンジン最後まで本当によく頑張った。お疲れさま。

[Twitpic]

皆さん,μ10イオンエンジンは立派に役目を果たしました。
メインエンジンの枠を超えて「はやぶさ」の失われた機能をサポートしきった我らのエンジンを誇らしく思います。
万感の想いで運転終了のシールを運用室の窓に貼りました。



・・・まっすぐ貼れたかどうかはちょっと自信がありません。よく見えなかったから。
                                      (IES兄)

あれ、目からキセノンガスが…(´;ω;`)ブワッ

「はやぶさ」の地球帰還直前の光学望遠鏡による観測について [AISAS/JAXA]

はやぶさ」のリエントリは、日本時間で6月13日の午後23時頃となりますが、6月13日の日没後に「はやぶさ」は日本から可視域にあります。
場所によって少し異なりますが、だいたい19時で高度が45度くらい、その後、22時で高度10度くらいにまで下がります。この間、探査機までの距離は、10万km程度から4万km程度にまで変化します。ただし、太陽、探査機、地球の位置関係があまりよくないので、「はやぶさ」の明るさはかなり暗いことが予想されます(下記の注)。
つまり、小型の望遠鏡での観測は難しい可能性があります。

このように観測の条件はあまりよくないのですが、もし、観測を試みていただける方がいらっしゃいましたら、是非、お願いします。

無謀にも挑戦してみようかと思ったのですが、どうも13日前後の天気はだいぶ悪そうなんですよね… 思えば「かぐや」の時もそうでした。

小惑星探査機:「はやぶさ」13日夜に分離 ガスで包み岩石保護 カプセル工夫満載 [毎日]

こちらはカプセル回収について詳しく解説されている良記事。

 ●秒速12キロ

 はやぶさは13日午後8時ごろ(日本時間)、地球から4万キロでカプセルを分離する。カプセルは直径約40センチ、重さ約17キロで「ふたをした中華鍋」のような形。分離後、地球の引力で加速され、秒速12キロで大気圏(高度200キロ)に突入する。東京−新大阪間をわずか約45秒で移動できるスピードは、彗星(すいせい)のちりを持ち帰った米探査機「スターダスト」(06年)並みだ。

 大気圏突入時、カプセルは最高1万〜2万度の空気に包まれる。単位面積当たりの加熱効果は米スペースシャトルの地球帰還時の約30倍。カプセル開発に携わった山田哲哉JAXA准教授は「過酷な環境を克服するため選ばれたのが『自分を犠牲にして中身を守る』手法」と説明する。

 ●内部50度以下

 カプセル表面の材質は、高温と衝撃に強い炭素繊維強化プラスチック(厚さ平均3センチ)。高温になると内層が徐々に溶け、熱を奪いながらガスが発生し、外にもれ出してカプセルを包み込む。その結果、カプセル表面は最高約3000度、内部は50度以下に抑えられる。

 高度約10キロでパラシュートが開き、カプセルは秒速10メートルまで減速してオーストラリア南部ウーメラ砂漠に着地する。明るい流れ星のように夜空に描く光跡と、カプセルが発する電波を頼りに着地地点を推定し、捜索隊が夜明けとともに探索を始める。山田准教授は「残された使命を成功させ、カプセルを地球に無事に届けたい」と話す。

どうやらカプセル回収作業は夜明け頃に開始するようです。