「はやぶさ」地球へ
04:00
「はやぶさ」は月軌道の内側に入りました。いよいよ本日帰還です。
■「はやぶさ」大気圏突入前、地球撮影に挑戦 [読売]
小惑星探査機「はやぶさ」が日本時間13日午後10時51分に大気圏へ突入する。
その直前、地球の撮影に挑む。大気圏突入で燃え尽きるはやぶさ。「7年ぶりに戻ってきた故郷の姿を最後に撮らせてやりたい」という研究者らの思いは通じるか。
はやぶさは同午前9時には地球から27万6000キロ・メートルの距離に迫る。そこから見る地球は地上から見る月の約5倍の大きさになっているはずだ。
しかし、はやぶさの最後の重要任務は、小惑星の試料を納めた可能性がある内蔵カプセルを機体の前面から地球に向けて放出する作業。それに必要な姿勢を保つため、底面のカメラは地球が見えない方向に向けている。
相次ぐ故障を乗り越えて帰ってきたはやぶさに、その「目」で、もう一度地球を見せたい――。はやぶさ計画を率いる宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授らが撮影を思い立った。カプセル放出から大気圏突入までの約3時間、残るエンジンなどの力を振り絞ってカメラを地球に向ける。
うまくいけば、放出したカプセルも地球の手前に写るとみられている。カプセルは、はやぶさが大気圏に突入してから約20分後、ウーメラの砂漠に落下する見込みだ。
なんと、スタートラッカではなく観測センサでの撮影を試みるようです!
■祝帰還!「はやぶさ」7年50億kmのミッション完全解説【その1】 [ASCII]
なんか凄く濃い記事が上がってます。面子がとてつもない。
藤原 僕自身は小惑星の研究をずっとやっていまして、その頃、彗星へフライバイサンプルリターン――着陸しないで通過時に彗星から塵、ダストを捕まえる――という計画が、日米共同であったんですよ。
当時、対象となる彗星への相対速度は秒速8〜10kmくらいだったかな……。それ以上低速にできないということで、日本国内では研究が沈下してしまったんです。後にアメリカ、NASAでは、対象天体を変更して軌道計算をやり直し、相対速度6km/秒で計画をやり遂げてしまった。それが彗星探査機「スターダスト」です。結局アメリカがやっちゃったんですよね。
そのミッションをアメリカ全体から公募で募り、公衆の面前で発表させて評価する。その会議に参加して、全体で30以上あったかな、さすがアメリカだと思いましたけど、たくさんの計画が出てくるんですよ。そしてその第一号が小惑星「エロス」を着陸せずフライバイ探査する「ニア・シューメイカー」ミッションでした。
そのとき、これは我々が計画してた小惑星フライバイ探査と一緒だと。中堅を中心にして検討されていたミッションはアメリカに持って行かれてしまったわけですね。
小惑星探査も、スターダストも持って行かれてしまった。それならもう、僕と、水谷仁さん(現ニュートン編集長)、上杉さん、川口さんと集まって、「小惑星探査、サンプルリターンをやりましょう。これしかないですね!」と。
川口 その技術実証も「イオンエンジンがダメなら次の項目を試そう」みたいなわけにはいかなくて、まず向こうの小惑星についてからもう一回帰ってこなくちゃならないというシナリオになっている。
プロジェクトマネージャ 川口氏「はやぶさの場合、ひとつめの目的が成功しないと次の目的に取り掛かれない。だからミッション内容としては紙一重。しかし、この機会を逃すわけにはいかなかった」従って、カプセルの再突入というのは、最後に来ちゃうんですよね。こうなると大変点数が付けにくいんですよ。「5つの目標のうち3つできると60点」みたいな話だといいんですけど、ひとつが終わらないと次はできないというわけですからね。自律的な航法といっても、小惑星に到着しない限りそういうわけにいかないんです。
技術実証の仕方としては、悪く言うとあんまり賢い方法じゃないんですよ。
実証としては、並列に、イオンエンジンがうまくいかなくてもカプセルのリエントリーだけはできるとかですね、そういう風に作るべきという人も多分います。純粋に技術だけを開発して実証するなら、それがいいのでしょうね。
吉川 「はやぶさ」は、もともとはスペースガードとは関係なかったんですけど、イトカワも地球にぶつかってくる可能性がある天体のひとつなので、初めて実際に地球にぶつかる可能性のある天体を調べた、という意味では、スペースガードの世界でも評価されることになりました。
03:00 「はやぶさ」日本上空を凱旋飛行
今真上に「はやぶさ」が! うおお!!
なんとすばる望遠鏡からも「はやぶさ」の姿が! 公式が繋がりにくい場合はtwitpicにもアップされています。また各地天文台からも観測の報告が上がっているようです。
■はやぶさ:カプセル切り離し…地球帰還へ 小惑星探査機 [毎日]
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、はやぶさは午後7時51分(日本時間)、高度約7万キロでイトカワの試料が入っている可能性のあるカプセルの切り離しに成功した。
■小惑星探査機「はやぶさ」、地球帰還へカプセル分離成功 [朝日]
惑星探査機「はやぶさ」は13日午後8時半(日本時間午後8時)ごろ、小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性のあるカプセルを地球から約7万キロの位置で切り離した。本体とカプセルは日本時間午後10時50分ごろに大気圏に再突入、7年ぶりに地球に帰還する。
■はやぶさ:「カプセル分離」に拍手…JAXA管制室 [毎日]
はやぶさの運用を管制する相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所。午後7時51分「カプセル分離」の信号が管制室に届くと、この日の運用に携わるJAXAや開発メーカーの約40人が一斉に拍手。確実に分離したかどうかを確認するため、あわただしく職員が動き回った。はやぶさの主エンジン開発にかかわったJAXAの清水幸夫・品質保証室副室長は「第1段階はクリアしたが、最終的な使命はカプセルを回収すること」と気を引き締めた。
川口淳一郎プロジェクトマネジャーは「7年も宇宙空間に置かれたはやぶさのバッテリーなどが予定通り機能したのは大きな喜びだ」と話した。
本当によく動いてくれました! 「はやぶさ」は最後の仕事を全うし、後は時を待つのみとなりました。可能であれば、最後の力を振り絞ってカプセルと地球を撮影することに挑戦するようです。
■「はやぶさ」分離成功、一気に沸き立つ管制室 [読売]
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■No.1421 :19時からのプレスブリーフィングより [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]
問・はやぶさが地球の写真を撮るようだが配信はいつか。
ぜひ最後に写真を撮ってほしいが、カプセル回収が第一。
分離後3時間の余裕があるが、カプセルが外れることで本体に擾乱が発生する。
姿勢制御をして安定して追従するのが第二。
これは分離で大穴が開くので姿勢擾乱が発生する。そのデータを取りたい。
写真は余裕があれば撮りたいが時刻は不明です。問・カプセル分離はタイマー仕掛けか、不具合時は対処方法があるか
本体と一緒になった場合、カプセルは無事に戻るか。カプセル単体にはコマンド受信機能は無いはず。事前に母船から設定する。
切り離されなかった場合は、コマンドを数回送る程度の余裕しか無い。
母船の姿勢が裏面になった場合、カプセルの背面は弱いため溶ける可能性がある。問・スタートラッカで撮れたか判るのはいつか。
3時間の中でしかとしか言えない
スタートラッカは分離直後に撮りたいという要求があるが未確認。
(※スタートラッカはカプセルの分離確認。地球をちゃんと撮るためには別のカメラが必要だが、そのためには姿勢を大きく変える必要がある)問・はやぶさの突入時間は
秒速12キロメートルで、分離での速度差は殆ど無い。10センチ程度の差なので一緒に落ちてくる。1秒無いだろう。目で見てどちらか判らないかもしれない。
撮影に用いるのはスタートラッカなんでしょうか? 地球撮影については、カプセル分離による擾乱なども考慮して際どい運用になるようです。
「その時」は刻一刻と近付いています。「はやぶさ」はついに静止軌道の内側へと。
21:50
あと1時間。
22:40
あと10分。
22:50 大気圏再突入!!
うわああああああああ、流れ星だ…
「はやぶさ」からのラストショット
どうやら何度か撮影を試みたうち1枚だけ画像取得に成功していたようです!! これがある意味はやぶさ最後の「ミッション」。
(´;ω;`)ブブワァ
なんだよこれ… 凄いよアンタ。スミアで滲んでいるとことか最後データが途切れているとことか、もうね…
もうカプセル発見だとwwww
■小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の大気圏突入について [JAXA]
日本時間6月13日19時51分に「はやぶさ」は無事カプセルを分離し、日本時間6月13日22時51分頃には大気圏に突入しました。
2003年5月9日にM-Vロケットで打ち上げられてから約7年間、イトカワに着陸し、サンプル採取作業を行い、再び地球に帰還するという難事業を、幾多の困難を乗り越え成し遂げることができました。
これまで応援していただいた皆様に感謝いたします。引き続き、豪州において地球に帰還したカプセルの回収作業を進めてまいります。
何この淡々と熱いプレスリリース。
■ヘリコプターによるカプセル本体の捜索結果について [JAXA]
大気圏に再突入した「はやぶさ」カプセルについて、ヘリコプターにより捜索した結果、日本時間6月13日23時56分にWPA内の予定区域内においてカプセル本体を目視により発見しました。
なお、カプセルの回収作業は、日本時間6月14日午後に行う予定です。
1時間で発見とかwww どれだけ正確なリエントリだったんだ!
回収は明日昼過ぎのようです。
■はやぶさ カプセルの落下確認 [NHK]
地上波では午前1時のニュースで初報が流れたんですが、この映像も滅茶苦茶素晴らしいです。多分朝一番のニュースでもガッツリやるんじゃないでしょうか。欲を言えば生中継して欲しかったところですがw
■2010/06/14 00:54 JST: はやぶさの魂 [Hayabusa Live]
光学班によって火球の観測を行いましたので、画像を送付します。
20100614-ImageByGOS_1_lite.jpg
20100614-ImageByGOS_2_lite.jpg
この写真で、ようやく明日からはやぶさの運用が無いことを実感してしまいました。
はやぶさ、ありがとう。おかえりなさい。
(IES兄)
JAXAのチームが観測した画像が入ってきました!
関連:【はやぶさ】漆黒の夜空に一筋の輝き 30秒間の凱旋、はやぶさ [産経]
各紙も現地から写真を送ってきていますが、特に読売と朝日が素晴らしすぎるので是非大判を下さい!
■はやぶさ記者会見@相模原 [Imamuraの日記]
先程行なわれた記者会見の模様がレポされています。
▼打ち上げ前に:打ち上げ前に「背伸びした計画」と言っていたが今ならどう?
今でも背伸びした計画だと思っている。
ここまで来たのはまことに幸運。冗長性が少ない試験機なので
まがりなりにもこなせてきたのはまことに幸運。
いつもうまくいくとは限らない。
しかしこういう挑戦が行われないと次へのステップにならないし先につながらない。
持続的な活動を支えるためにもこういう挑戦は必要。
非常に重要なことを述べています。様々な成果をもたらし見事帰還を果たした「はやぶさ」ですが、計画そのものは非常にピーキーで常に心身をすり減らす運用のもとに行なわれてきたわけで、「じゃあ次はもっと安く」なんて代物ではないということを心に留めておくべきでしょう。
これは確実にそうですよねw
■2010/06/14 02:47 JST: ヘリコプターによる熱シールドの捜索結果について [Hayabusa Live]
ヘリコプターで熱シールドを捜索しましたが、現在発見に至っておりません。
明朝以降も捜索を行う予定です。
カプセルを包んでいたガワはパラシュート展開の際に分離されますが、これはまだ発見されていないようです。カプセル本体はビーコンによって範囲1kmまで絞り込めていますがこちらは完全に目視なので多少捜索に時間かかるでしょうね。てか真っ暗闇ですし。