週末のイカロス君

どうやら姿勢制御を再開したようですね。

08/2120:41:12: 今日の IKAROS(8/21) - Daily Report - Aug 21, 2010 [IKAROS-blog]

IKAROSは今日も通信不可帯に向けた準備の一環で,今日も姿勢制御を行いました.
制御の方向は,太陽方向,かつ,天球上の北の方向 です.
通信不可帯については,8/18のblogでRさんが紹介していましたが,1週間以上
通信不能の状態になるので,IKAROSが自律的に,安全な姿勢を維持してくれる必要が
あり,運用の大きなヤマバになります.

いつ頃からなんでしょうかね−。この分だと9月頃でしょうか?

そこでイカロス君に代わって,IKAROSチームメンバー一同からひとこと:
おくさま,大切な時期に旦那さまを仕事で忙しくさせてしまってゴメンナサイ!m(_ _)m

こうしてブログを読んでいると所帯持ちの方が多いですが、周囲のご理解があってこそ続けられる大変な仕事ですよねえ。

08/2104:28:14: 今日の IKAROS(8/20) - Daily Report - Aug 20, 2010 [IKAROS-blog]

実はこの接着剤が「くせもの」です.
接着剤は宇宙空間でアウトガスを発生するため,
観測機器に付着して性能を劣化させる恐れがあります.
また,せっかく耐宇宙環境性に優れたポリイミド樹脂を使っていても
接着剤の耐久性で寿命が決まってしまいます.
(もちろん,イカロスの翼のロウよりはずっと長持ちします・・)
接着剤の重量も無視できませんし,接着作業も大変です.
そこで,IKAROSでは,将来を見越して接着剤を使わなくても
加熱することで融着するポリイミド樹脂の開発に挑戦しました.
打上げまで2.5年という厳しい制約にもかかわらず,
なんとか間に合わせて,実際に膜の一部で使用できました.
ポリイミド樹脂のシェアのほとんどは日本のメーカが占めていて,
 技術協力体制ができていたからこそ実現できたと言えます)

なるほど、接着部分の耐久性も寿命に直結するんですね。よくまあホントこんな短い期間でここまで詰め込んだものですw 素材のシェアを殆ど日本の企業が占めているというのも何かの縁ですね。

膜の試験を行うたびに,膜を広げたり畳んだりする作業が発生します.
1辺14mの巨大な超薄膜を取り扱うのは並大抵のことではありません.
実は,膜の製作・試験・巻き付け等の膜作業は,多数の学生君たちが
熱心に作業を行ってくれたおかげで実現できました.感謝感謝です!
何事も最後は,地道な努力がものを言うのだと実感しました.
(ちなみに,膜作業中に膜に亀裂が生じることがありますが,
 一ヶ所ずつ確実にテープで補修します)

気が遠くなるほど地道な作業の繰り返しですが、これが宇宙で見事に開いた瞬間は凄い感激でしょうねえ… てかテープってどんなテープでしょう。