ALOS/PALSAR等を用いた全球森林・非森林分類図の作成について [JAXA]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)では、2006年より運用している陸域観測技術衛星ALOS)「だいち」に搭載したレーダーセンサー(PALSAR)を用いて、世界で初めて、全球の10m分解能の画像と森林・非森林の分類図(2009年、2007年)を作成し、ホームページ(http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/guide/jforestmap_oct2010.htm)で分類図画像を公開いたします。併せて、名古屋で開催中の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のサイドイベント並びに、北京で開催予定の2010年地球観測に関する政府間会合(GEO)閣僚級会合において紹介することとしましたのでお知らせします。今後は、過去のデータの解析処理も行い、全球規模での森林炭素量変化を把握することにより、森林の減少及び劣化の抑制方策に役立つデータ作成を目指していきます。また、データ配布については、協力機関と協定を締結の上、行っていく予定です。

 地球を短時間で周期的に観測する地球観測衛星は環境変化の把握に適しており、古くは米国のランドサット衛星(光学センサ)が1970年以降実施してきました。しかし、光学センサの弱点は晴天画像が得られにくいということでした。それに対し、レーダーは天候に左右されずに観測が可能です。図1は「だいち」に搭載されたレーダー(PALSAR)が2009年6月から9月までの乾期に観測した全世界データを10m分解能で処理(幾何学補正1、ラジオメトリック補正2)し、全球86000シーン相当分のモザイク処理(接続処理)をしたものです。本画像は、PALSARの有する二種類の情報(水平偏波垂直偏波)を赤、緑に、そしてこれらの比率に青を着色し、カラー画像としたものです。緑色がかったものが森林を、暗い緑から黄色が非森林を表します。

アマゾンの熱帯雨林をはじめ各国の環境監視に一役二役買ってますね。