ハイビジョン特集 『夢を打ち上げる人びと〜密着・ロケット発射100日間〜』を観た

いやあこの番組のためにBSアンテナ導入しましたよ。買ってよかった。
密着取材と言うだけあって映像が本当に凄い。今回はH-IIA18号機の打ち上げについてだったのですが、まず愛知の三菱重工工場内に潜入。アップで撮りまくって機密っぽい部分にはモザイク入ってました。LE-7Aエンジンの組み立てシーンではノズルスカートにびっしり開いている再生冷却のチューブ。当たり前ですがこんなの初めて見た。機能美。
エンジンを組み上げる際の溶接は裏面、つまり推進剤が通る内側の裏ビードという溶接跡が重要で、腕前ランキングがあるそうです。LE-7ではこの部分に苦労しましたが、どれだけシンプルになっても溶接は無くならないのでしっかり受け継いでいく必要がありますね。1基のエンジンを作り上げるのに半年かかるそうです。
種子島での輸送作業は夜間行なわれますが、毎度ギャラリーが。ママさんから差し入れがあるのも恒例の事らしいw なんかいいなこういうの。宇宙センター内のコーナリングインサイドのガードレールをまたぐような運転をしていてびびった。
VAB内にカメラ入るにあたっては特別な安全講習を受けて許可が出たそうです。SRB-Aとか巨大な爆発物ですしね。色々あります。ロケットの機体を釣り上げるクレーンを操作する人は元々地元の農家で、センター内の草刈りバイトから建物の塗装などの仕事を経てロケットを釣り上げるに至った生粋の叩き上げだそうです。すげえ… ちなみに今も兼業農家だとか。
エンジン部の稼働試験の様子もありました。SRB-Aの稼働ノズルはガキョンキョンという感じで段階的に動き、LE-7Aのジンバルは極めて静かで滑らかに動いていました。基本的に構造が全然違いますしね。
打ち上げ執行責任者の前村さんは種子島宇宙センターの最初期から打ち上げに携わってきて、H-II・H-IIAでは3度の失敗を味わっていますが、H-IIAはずっと連続成功が続いており打ち上げ隊の中にも「失敗を知らない世代」が増えてきていることを考え、常にあらゆるケースを想定し現場に緊張感を与え続けているようです。キーワードは「止める勇気」「時間内に解決する執念」「平常心」。
打ち上げ当日は全てがスムーズだったと思っていましたが実は打ち上げ1時間前に隣の屋久島付近で分厚い雷雲が発生してたりと色々あったそうです。種子島はあんなに天気が良かったのに。衛星分離の瞬間、祈るようにしてた前村さんが破顔する瞬間は印象的でした。

いやもう、硬派で濃密な90分でした。スゴ録が壊れてて録画出来ませんでしたので是非再放送して下さいお願いします。