CO2吸収効果 衛星で観測へ [NHK]

開発などで減少している発展途上国の森林を守り、地球温暖化の防止に役立てるため、環境省は、森林による二酸化炭素の吸収効果を人工衛星を使って観測する事業を来年度から始めることを決めました。29日からメキシコで開かれる温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16で発表する予定です。

途上国での開発に伴う森林の伐採などで排出される二酸化炭素は、世界の温室効果ガスの排出量のおよそ20%を占めるとみられています。このため、途上国の森林を守るための国際的な仕組みが議論されていますが、対策を進めるうえでは森林による二酸化炭素の吸収効果を正確に把握することが重要です。これを受けて環境省は、去年日本が打ち上げた観測衛星、「いぶき」を使って世界各地の森林で二酸化炭素の吸収量や排出量を観測する事業を来年度から始めることを決めました。二酸化炭素は特定の波長の光を吸収するため、その吸収の度合いによって二酸化炭素の濃度を測定するということです。途上国の森林を守る仕組み作りについては29日からメキシコで開かれる、温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16でもテーマの1つになっていて、環境省は最新の技術を生かした日本の取り組みとして発表することにしています。

環境省が「いぶき」を用いて森林のデータを取るそうです。