HTV2号機説明会 [大塚実の取材日記]

A 東京広報
ロケットについて
この前の機体公開でプロマネ
民間移管時の受注交渉に影響を及ぼすので
差し控えたいと回答していた

機体価格についてはH-IIA17号機あたりから「守秘義務」で答えて貰えなくなりましたが、やはり受注に関わるところだったようです。てかH-IIBも対象なんでしょうか?

A 虎野
初号機は真四角になっていて
真ん中の空間が少し空いていた
あそこにもモノを詰めるように
新たな治具みたいなものを作って
その分たくさん荷物を詰めるようにした

荷物は容量もあるので密度によっては
めいっぱい積んでも6トンにならない場合がある

なるほど、四方のラックの嵩をもうちょい上げたんですね。

もともとISSよりも低い軌道を同じスピードで飛ぶのは至難の業
物理的には、普通は早くしないとどんどん落ちる
HTVは下にエンジンを吹きながら
プールで立ち泳ぎをしているようなもの

そこで温度が上がったが
スラスタ自身は高温に耐えられるが
センサーが高い温度に耐えられない
2号機ではもっと耐熱性が高い温度センサーに変えた

A 当初は熱電対型
せいぜい300℃くらいしかもたない
白金センサーに変えたので飛躍的に高温までもつ

通信装置は三菱電機

あの時トラブったのはスラスタそのものではなくセンサだった模様。大事に至らないようでよかったです。今度は耐熱性バッチリらしい。もう試験もしませんしね。あとGPS周りのバグも潰したらしい。

Q 今日NASAディスカバリーの延期
2号機への影響はあるのか

A 12/18ころなら問題ない
予定通り打ち上げて運用できる

Q それ以降になるとシャトルが優先か

A 優先かどうか決めるのはNASA側になる

Q HTVとシャトルは同時に接続できないのか

A 佐々木
同時にランデブーはできないが
係留中については可能な見通し

頼むから影響しないで! あとやはりHTVが先に行けば同時に係留可能のようです。

Q 与圧部にもっと積めるようにしたのは、そういうニーズがあったからか

A ニーズもあった

Q 与圧部の荷物が重くなったときに、大きな開口部がある
曝露部にかかる負荷は大丈夫か。何か対策は

A 解析の結果問題ない
5.2トンを積み込んでも大丈夫

あんな大口開けといて凄い頑丈さですね。

Q 再突入を地上から撮影する予定はないか

A 虎野
我々もやりたいとは思っているが
撮影には結構お金がかかる
船にしても飛行機にしても
距離が遠いこともあって相当のお金がかかるということで
とても我々の懐ではできそうもない

Q 見たいんですがw

A その代わりと言ってはなんだが
いまNASAESAと調整している

送られるのは
温度や加速度などのデータ

テレメトリで再突入のデータを取得するようです。今年度の時点で航空機撮影の費用が捻出できないとなると…仕分けられた分の削減が来年度から始まりますから今後ますます難しくなりますねえ。全く…。

A 虎野
荷物込みで16.0トン

残りの200kgは推進剤を多めに積む

余った分のペイロードは推進剤に回すんですね。

Q カナダやESAの分の荷物はないのか

A 東京
ない

A 佐々木
リエントリの観測装置はNASAの装置

リエントリの観測はESAの地上局が担当したりするんでしょうか。

Q 読売
2号機で試験やデモはないようだが
ISS到着まで同じ8日間かかるのはなぜか
デモがなければ短縮できるのでは

A 佐々木
8日間というのは
日本時間では同じに見えるが
前回は午前2時 今回は午後
実質的には7日間のランデブーと考えている

5日間でも可能だがドッキングできるタイミング
飛行士の作業のスケジュールも決まっている
2日間の余裕を持たせてNASAと合意した

打ち上げが遅れたときは
ここで1〜2日を吸収する考え

今回ドッキングまでは1日しか縮まってませんが、どうやらスケジュール上の都合のようです。荷物の出し入れについては内と外を同時進行で。

Q ATVの運用のスケジュールはどうなっているか

A 佐々木
2号機は2/15に打ち上げ
ドッキングが2/26の予定

Q HTVが離脱した次の日にドッキング?

A その通り

何その過密スケジュールw 飛行士の負担を避けるためにもなるべくオンスケジュールでいきたいところですね。