日本の宇宙実験施設「きぼう」、アジアに無償開放 [日経]

要ログイン記事。

 日本分について日本は自国かISS参加国の利用にこだわってきたが、アジアに門戸を開く方針に転換する。中国が11年から独自に宇宙基地の建設を始める見通し。日本はアジアと協力関係を築き、存在感を高める。

 20日に鹿児島県から打ち上げる国産宇宙輸送機「HTV2号機」にマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムが選んだトウガラシやトマトなどの種子を搭載。きぼうの無重量空間で数カ月保管。品種改良に役立てる。

 JAXAと韓国航空宇宙研究院は年内に、細胞培養など4分野で研究計画を策定。きぼうに持ち込む予定の韓国製の機材を共同利用する。インドネシア国立航空宇宙研究所とは主要農産物のバナナの研究を検討。熟して黄色くなる仕組みを探る。地上で鮮度を保つ方法を見つける。

んんー、そういえば数年前にも日韓でそういう話がありましたが、どうやらアジア各国を抱き込む形に落ち着いたようです。共同研究という形で無償になってるのでしょうか(独自なら有償でと)。有償で使ってる国内企業の立場がちょっと微妙ですが、持て余してるなら致し方ないですかね…。ちなみに韓国側とはNASDA時代から検討していた模様。
ていうか今度の「こうのとり」2号機に既に物資が搭載されてるんですね。早っ!

「きぼう」開放 アジアの衛星打ち上げ需要取り込み [日経]

 飛行士が活動する有人宇宙開発では、日本は中国に先を越される。だが宇宙飛行士の長期滞在やそれに伴う研究の蓄積は国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加する日本に一日の長がある。

 日本が手がける宇宙の無重量実験も、アジア各国・地域は手が届かない。きぼうを使ってもらい、宇宙への関心を引き出せたら、将来の市場拡大につながる。災害監視や農業管理など衛星利用へアジアの興味が向けば、日本が人工衛星の製造からロケットの打ち上げ、衛星の運用まで一貫したサービスを提供できる。原子力発電所高速鉄道といったインフラ輸出の一つになる。

 中国は2011年から独自で宇宙基地の建設を進める計画とされる。きぼうの有用性をアピールし、日本がアジア各国・地域と協力関係を築けるかはここ数年が勝負といえる。

中国独自の宇宙ステーション計画を睨み、日本がアジア各国を先んじて囲い込む意図もあるようです。いきなり独自で研究を持ってこいと言われても手の出せない国もありますが、そこを共同研究という形でサポートして市場開拓するとか? しかしずいぶん積極的に外交戦略に乗り出すようになりましたねホント。