H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.23
前回まで
<< H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.22 (2)
<< H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.22
<< H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.21
<< H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.20
<< H-IIBロケット2号機/「こうのとり」(HTV)2号機 打ち上げ見学記 2011.01.19
■No.1499 :打ち上げ経過記者会見(第1部) [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]
鹿児島南日本新聞・ロケットの信頼性はあるが、島への輸送などインフラ改善への取り組みはどうか。
障泱リ・今回の成功で国民と共に自信がついた。種子島のインフラ整備については、理事とも勉強し効率的に改善したい。
立川・JAXAからも大型衛星が運べる空港や、トレーラーが通れる道路について、今もお願いしている。
NHK・NASAは日本がHTVを発展させて物資の回収ができる機体や、有人機を作る事が技術的に可能だと思うか。
クライン・イエス、日本が獲得するのは可能だと考える。ISSのパートナーシップとして色々と学ぶことができる。したがって将来、各国の果たす役割で能力が生かされることになる。
NASA的にも「有人できる!できるって!」とのことです。
■No.1500 :打ち上げ経過記者会見(第2部) [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]
HTV2について
虎野・2軸制御の確立と通信リンクの確立、そして3軸制御の確立が当面の大きなミッションだった。分離は予定通り。そのあとすぐアメリカのTDRS衛星によって通信リンクが確立した。
15時1分に2軸制御が確立した。予定よりだいぶ早い。3軸姿勢の確立も15時36分に完了した。これもだいぶ早い。
現在、GPSと地球センサを使い、次の22時13分に予定している高度調整マヌーバに向け準備している。各部位の温度を取得し確認している。すこぶる順調である。
質疑応答・種子島会場不明・第2段が突入して通信が途絶した時間はいつか。また落下は成功したのか。
中村・正確な時間はRCCで作業の音声を聞いただけで把握していない。ただ予定通りなので、うまくいっているはず。
この会見の時点で既に三軸姿勢制御も確立し、ロケット2段目の制御落下も実施されているようです。
NHK・軌道への投入精度が良かったとあるがどの程度か。
中村・速報値で、殆どど真ん中。ノミナル値である。
相変わらず素晴らしい精度です!
NVS・打ち上げでSRB−Aがねじれて落ちたようだが。
中村・私もいつもと少し違うように見えた。これから解析して評価する。
リプレイ映像を見るとSRB-A第1ペア分離の際、確かにちょっとねじり落としてるように見えます。ただ大きく引っかかったようには見えませんし打ち上げ結果には影響していないようです。今後の解析待ちですね。
■H-IIB・F2 打ち上げ後記者会見(第1部) 取材メモ [大塚実の取材日記]
大塚さんもレポっておられます。
■宇宙輸送機HTV成功 日本、「シャトル後」へ存在感 [日経]
インともいえる水の輸送を初めて任せられた。スペースシャトルの退役後には大型の実験装置などを地上からISSへ運ぶ唯一の輸送手段となる。今回の打ち上げで失敗の事態になれば、ISSの運用に支障が出る恐れがあった。
米国がスペースシャトルに代わる宇宙船を実用化するのは早くても2015年になる見通しだ。これに対し、ISS自体は2020年以降まで運用を続けることが決まっている。物資の輸送はISSの生命線となり、NASAはHTVの役割に強く期待している。
日本にとって、HTVの打ち上げ成功は国際社会に技術力の高さを示す機会となった。HTVはこれまでの人工衛星など宇宙機器に比べて部品点数が最も多い。これらの部品を組み立てて制御するのは困難とされてきた。今回の成功によって無人輸送機の信頼性を証明したといえる。
今回打ち上げたHTVにはアジア各国との宇宙分野での協力を進める役割もある。マレーシアやインドネシアなどアジア4カ国からの希望を受け、トウガラシなどの種子をHTVに載せた。ISSにある日本の宇宙実験棟「きぼう」で保管した後、種子を地上に持ち帰り発芽するかどうかを調べる計画だ。
他にもISS補給機としては既にプログレス・ATVがあり今後ドラゴンやシグナスといったものも出てくる見通しとなっていますが、相互補完的な役割もあり更にISSの運用が延長されるためそれぞれが一定のキャパを担う必要がありますし、その中でATVに次いで大型なHTVはより着実にミッションをこなす必要がありますね。
■絶対に失敗ないよう…重圧に耐え、打ち上げ成功 [読売]
「本当にほっとした。(2009年の)1号機の時よりもプレッシャーを感じた」。同センターで開かれた記者会見で、宇宙航空研究開発機構の中村富久プロジェクトマネージャ(58)は安堵(あんど)の表情を見せた。
宇宙機構は「あかつき」の教訓を生かすため、特別点検チームを編成。失敗の原因とされた燃料などの逆流を防ぐ「逆止弁」に不具合がないか約1か月かけ、H2Bと搭載した無人宇宙船「こうのとり」(HTV)2号機の計約160か所を徹底的に調べた。「絶対に失敗することがないよう努力を積み重ねた」と中村さんは振り返った。
1号機が既に成功しているので"2号機は成功して当たり前"、「あかつき」が失敗したばかりなので"続けて失敗は許されない"という二重のプレッシャーがあったようですが、見事にはねのけましたね。ここからは「こうのとり」の出番です。
■解説:こうのとり打ち上げ成功 JAXA、問われる実力 シャトル引退控え [毎日]
今月末には、ロシアの無人補給機「プログレス」も打ち上げられる予定で、こうのとり2号の到着が遅れれば、ISSに滞在する宇宙飛行士の作業手順などの大幅な組み替えが必要になる。JAXAの虎野吉彦プロジェクトマネジャーは「5日間の飛行で到達させる訓練も積んでおり、十分できる」と自信を見せる。
元々2号機からは短縮が可能でスケジュール上の都合で少し間を置いてましたから、チームとしては自信ありだそうです。
■H2Bロケット:打ち上げ成功 国産ロケット成功率は95% 受注獲得へ好材料 [毎日]
今回の「H2B」2号機成功により、主力のH2Aと合わせた日本のロケット打ち上げ成功は連続14回となり、成功率は欧州の主力ロケット「アリアン5」を上回る95%に達した。来年度、韓国の宇宙機関から受注した衛星の初の商業打ち上げを控える三菱重工業にとっては、さらなる受注獲得に向けた好材料となった。
んんー、単純にH-IIAの成功率に加えるのはちょっとどうかなと思いますが、H-IIAをベースとして大型化したのがH-IIBなのでH-IIAの信頼性を上げる事に貢献しているのは確かだと思います。
■日本の主力ロケット 成功率95%も乏しい実績 「基盤維持へ政府は支援を」 [産経]
課題は実績の少なさだ。欧州のアリアンは約200回、米国のデルタは340回の打ち上げ実績があり、日本のH2A、H2Bは中国の「長征」(130回、成功率92.3%)にも遠く及ばない。
まあ打ち上げ回数は致し方ないですね…プロトンみたいに2年に1回失敗しても翌月には打ち上げ再開、なんて豪快さを真似るのは到底無理ですしw シェアトップのアリアンスペースですら政府の援助がなければやっていけないという側面がありますから一定のサポートは必要でしょう。
H2Bは需要の多い静止軌道に向けて大型衛星を2基同時に運べ、1基当たりの打ち上げ費を下げられる。宇宙航空研究開発機構は、衛星打ち上げ市場の拡大を見込み、早ければ平成24年度の4号機から打ち上げ業務を機体製造元の三菱重工に移管するつもりだ。
再来年度からって早っ!
■成功率95%に ロケット打ち上げ、民間移管に弾み [日経]
打ち上げ期間と日数が限られていた種子島宇宙センターは4月から通年運用が始まる。「これまで門前払いだった商談でもスタートラインに立てる」(三菱重工の浅田正一郎・宇宙機器部長)。H2Aでは来年度に初の海外案件となる韓国の衛星打ち上げを予定し、受注活動を加速する。
課題はコストだ。種子島宇宙センターは欧州勢などのロケット発射場と異なり、赤道から離れている。静止衛星を赤道上空の軌道に飛ばすには余分に燃料が必要だ。地理的に不利な条件をどうカバーするか。三菱重工はコスト差を克服するため、もう一段の技術開発を急いでいる。
主にスペックとしては地理的な要因が大きそうですが、とりあえず2段目を強化する余地はあるそうなので、そこで。
各地の応援
■僕たちの写真が宇宙へ 喜ぶポスターの小学生たち 「こうのとり」応援 [産経]
いやーよかったですね! こちらがその搭載の様子。
■H2Bロケット:打ち上げ成功 GOこうのとり2号 市民の期待乗せ一直線 /兵庫 [毎日]
昨日も書きましたが、コウノトリ(鳥類)名所からも。
■白煙・轟音に歓声 H2B成功「種子島観光にも弾み」 [朝日]
約2300人の見物客が集まった長谷展望公園では、午後2時半過ぎの打ち上げ予定時刻が近づくと、自然とカウントダウンが始まった。「あっ、飛んだ」。あちこちから歓声が上がり、轟音と振動が伝わってきた。冬の澄んだ空にロケットが白い雲の軌跡を残して消えていった。
長谷には2300人が集まったそうです。これって歴代2番目くらいでしょうか。
■H2B打ち上げ JAXAで生中継、300人見守る [朝日]
筑波宇宙センターからも。
■「こうのとり」宇宙へ、関係者ら拍手と歓声 [日経]
こちらは管制室ですが。GJ!
■H2Bロケット:こうのとり搭載、周回軌道への投入成功 職員ら握手で喜ぶ /鹿児島 [毎日]
霧島市の鹿児島空港出発ロビーでは大画面で打ち上げの様子が実況中継され、乗降客らが拍手や歓声を上げて喜んだ。
打ち上げ数分前、保安検査場前にフライトを控えた人たちが次々と集まり、200人を超える人だかりに。大画面からカウントダウンの声が聞こえると、一気に緊張感が高まった。午後2時37分、無事ロケットが打ち上がると「すごい」という歓声とともに拍手がわき起こった。姶良市東餅田の倉橋美月さん(11)は「すごい迫力。いつか種子島に行って打ち上げを生で見てみたい」と話した。
鹿児島空港でもパブリックビューイングが出来ていたそうです。