「スターダスト」がテンペル彗星をフライバイ観測 [AstroArts]

1枚目の画像は接近通過中、矢印の順にテンペルを連続撮影したものだ。最接近の瞬間の前後15秒は彗星核から約245km、前後3秒は185kmの距離からとらえられている。

最接近15秒前の写真には、2005年にディープインパクトが衝突体を落下させたのと同一面がとらえられており、2枚目の画像と同じような2つのクレーターなどの地形が確認できる。最接近3秒前の画像の左半分と、3秒後の画像の大部分は、今回初めてとらえられた領域だ。

3枚目の画像は、ディープインパクトによって作られたクレーター付近をクローズアップしている。

ディープインパクトは衝突実験で飛び散った物質を検出・分析したものの、その物質で見通しが悪くなったためにクレーター内部を詳細に観測することはできなかった。だが今回、スターダストがとらえた右側の画像では、黄色い枠内にうっすらとその痕跡を見ることができる。この人工クレーターは直径150mで、深さの正確な数値は詳細待ちだが、浅いもののようだ。

「飛び散った物質の一部が再度積もって中央丘が形成されています。最新のクレーターの様子を見ると、彗星核の物質があまり硬くなく、もろいことがわかります」(「Stardust-NExT」ミッションの主任研究員Joe Veverka氏)

ディープ・インパクトによるクレーターが観測されたようです! 150mほどだそうですが、約300kgの衝突体でこれだけのものができるんですね。「はやぶさ2」にとっても方式こそ違いますが重要なデータになるのではないでしょうか。

1999年に打ち上げられ60億kmを飛行してきたスターダストは、2004年にヴィルト彗星(81P)のコマの物質を採集、2006年にはそのサンプルを地球に持ち帰ることに成功した。延長ミッション「Stardust-NExT」として実施された今回の観測で燃料が尽きるため、これが最後のミッションとなる。

今回で最後だったんですか… 12年間お疲れさまでした!

NASA Releases Images of Man-Made Crater on Comet [NASA]

高解像度画像がアップされてます。こちらのギャラリーにもいっぱいありますよ。