若田光一宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について [JAXA]
正式リリース出ました!
若田光一宇宙飛行士が、ISS第38次/第39次長期滞在搭乗員として決定しましたのでお知らせいたします。
若田宇宙飛行士は、平成21年に約4ヶ月半のISS長期滞在を行い、その後は宇宙飛行士訓練を継続するとともに、NASA宇宙飛行士室のISS運用ブランチ・チーフとして、またJAXAの宇宙飛行士グループ長として業務に従事してまいりました。
若田宇宙飛行士は、第38次/第39次長期滞在期間において、日本人初のコマンダ―として第39次長期滞在の指揮をとります。
滞在時期: 平成25年末から約6ヶ月間 輸送機: 打上げ、帰還ともにソユーズ宇宙船 主な任務: 第38次長期滞在(約4ヶ月間)は、フライトエンジニアとしてISSの運用、宇宙環境を利用した科学実験、 「きぼう」日本実験棟を含むISS各施設のシステム運用を実施する予定。 第39次長期滞在(約2ヶ月間)は上記任務に加え、ISSコマンダーを務める。 コマンダーの任務は、ISS長期滞在搭乗員全員の安全を確保し、ミッションを確実に達成すること。 今後の予定: ソユーズ宇宙船およびISSの搭乗に必要な訓練を3月末から開始する予定。
年末からの飛行なんですね。もしかしたらHTV「こうのとり」とタイミングが合うかも知れませんし、そうなったら是非若田さんによる把持を披露して欲しいですw
■若田光一宇宙飛行士、ISSコマンダー就任決定会見 [Imamuraの日記]
今村さんが会見をレポっておられます。お疲れさまです! 若田さんはヒューストンからテレビ会議での参加だったそうです。
観測実験、各国システムの訓練を行っていく。コマンダーとして成功させるためのカリキュラム、無理のないようにインプットしていくのも大きな仕事。
仲間は今後決まっていく。チームが決まってきたら一人一人の飛行士の長所、資質を生かして熱い思いを生かせるような仕事の計画を立てる。チームとして最大の成果が出るような舵取りができればと思っている。
ISS参加パートナーである国の中で、コマンダーを出していないのは日本だけだった。日本にとって取り組むべき課題だし光栄だと思っている。
ミッションを出すのは管制室、チームを仕切るのがコマンダーという感じでしょうか。人望の高さもあってのことでしょうね。
若田:適切な状況判断能力、チームワークを重んじる心がリーダーの資質。リーダーシップのスタイルはさまざま。緊急時、リラックス時、TPOで使い分けることが重要な資質。
特にコミュニケーションは重要。宇宙飛行士の間だけではなく地上管制局や科学者などとのコミュニケーションをはかっていくことが大切。
ブライアン・ダフィーさんからも多くを学んだ。
前回の長期滞在ではロシアのパダルカ船長から学んだ。520日以上滞在したベテラン。どんなに忙しいときでも食事だけは集まって話をしながら行った。
ISSの広さはジャンボの1.5倍ありそこに3人だけだと一日顔を合わせないこともある。
そんな中で食事のときに顔を合わせるのが大切とパダルカさんは考えていた。
メシでコミュニケーションを図るのは万国共通ですね。ひょっとしたら一番の娯楽ではないでしょうか? 次回はミソカツとサバの味噌煮のストックも万全の態勢で臨む必要があるのではないでしょうか。
若田:訓練の拠点はヒューストン。ジョンソン宇宙センターでの訓練が一番長いため。長期滞在を終えた飛行士はつくばで維持していくのがJAXAの方針。
搭乗訓練はヒューストンが中心。
拠点として筑波、ミッションの訓練はヒューストンと使い分けるようです。
若田:家族はみな喜んでくれている。重要な任務であり前回の長期滞在では訓練で家族には苦労をかけた。前回で慣れていることもあってか「がんばってね」と声をかけてくれた。
長期間各地を飛び回る仕事ですからご家族の支えがある事はとても大事ですね。
若田:仲間からは祝福の言葉をかけていただいた。仕事の仲間、友人、家族からも連絡をもらった。コマンダーは「船長」と言っていることが多いと思う。宇宙船はshipといっていることもある。指揮官ともいうが船長が一般的な表現ではないか。
なるほど、「船長」「艦長」「隊長」「駅長」各説がありますがw、とりあえず船長が定番らしい。
そのために有人開発は重要な道。「きぼう」でつちかった長期宇宙運用の経験、こうのとりで得られた宇宙船の技術、有人システムとしての安全性,技術蓄積をして有人につなげていくべきだと思っている。
日本は世界にほこれる深宇宙探査の技術をもっている。はやぶさなどアピールしている。優れた技術を高めていけるように。世界に貢献できるように努力して行くべき。
若田さんにはいずれ種子島から宇宙に行って欲しいですね!
若田:前回は放射線が少なく被曝限界にはまだ余裕がある。
毎回、今回が最後かもと思いながら臨んできた。今回も全部出し切りたい。
同じ人が何度も飛ぶより、いろいろな人が飛ぶべき。新しい優秀な飛行士たちが訓練を受けている。その支援もわたしの大切な仕事。
若田:今回このようなすばらしい機会を与えてくれたことに感謝。日本の宇宙飛行士として初めてコマンダーをするが日本の和の心を大切にしてチームをまとめていきたい。
メンバー全員が高い志をもって臨む。そのゴールをしっかり理解してあげてそれぞれのゴール、チーム全体の成果を大切にしバックアップできる体制を整えてミッションにのぞめるよう訓練していきたい。
このあと古川飛行士の長期滞在がある。向井飛行士の医学実験があったが古川飛行士も医師の経験をいかすだろう。
まだ被曝的には大丈夫なんですね。現在3名の候補生の方々もいますし、若田さんには是非将来への大きな道筋を切り開いて欲しいと思います。今年は春から古川さんの初飛行=長期滞在がいよいよ始まりますし、盛り上がってきましたね!
■「ISS司令官、若田さんしかいない」 日本の悲願達成 [朝日]
若田光一さんが国際宇宙ステーション(ISS)の司令官に決まった。ISS計画に参加している日米ロ欧カナダの5極のうち、まだ司令官が出ていないのは日本だけで、宇宙航空研究開発機構にとって日本人司令官は悲願だった。そして、「その大役を担えるのは若田しかいない」(宇宙機構幹部)と言われていた。
若田さんは自ら設計に携わったロボットアームの腕は達人級で、欧米を含む飛行士の教官でもあった。一昨年夏、初めての長期滞在から帰還した際、普通は筋力が弱って立つことすらままならないのに、数時間後の会見に歩いて現れた。毎日2時間のトレーニングのたまものだった。
JAXAの悲願であると同時に若田さんの大きな目標でもありましたね。有言実行とはまさにこの事。アームの専門家でもありますし、ガタイの鉄人っぷりも前回の長期滞在で見せ付けてましたから攻守共に完璧ですねw
司令官には、強い指導力が求められる。これまで司令官の大半は、軍人のパイロット出身者が務めてきた。元高校球児の若田さんは、いつも笑顔を忘れず、人望も厚い。長期滞在の後、先にISSを離れる際、当時司令官だったロシア空軍の大佐は泣いて見送った。
日本はこの2年、ISSに実験棟「きぼう」を完成させ、補給船「こうのとり」を連続成功させた。世界の有人宇宙開発にとって、日本はもはや欠かせない存在だ。前回の飛行から2年弱での決定は驚きの早さとはいえ、若田さんの司令官就任は、5極の責任者会議で満場一致で決まった。
ロシアの軍人さんを泣かせるとかどんだけかと。文句無しという感じの決定だったんですね。
■宇宙開発、日本が欠かせず 物資運搬や実験棟で貢献 [日経]
若田さんは「こうのとりの成功など一つ一つのミッションの積み重ねが信頼向上につながっている」とし、「日本人にコマンダーを任せる時代になった」と分析する。日本は若田さん以外にも複数の飛行士を送り込み、宇宙ステーションや日本の実験棟「きぼう」の建設に貢献してきた。今後、年に1度、HTVを打ち上げて食料や実験装置など物資を運ぶ役割を果たす。
国際宇宙ステーションは総額10兆円を超える人類最大のプロジェクトとされる。各国は財政状況が厳しいなかで、運用期間を当初予定の15年から20年以降に延長することを決めた。米が運用延長の方針を打ち出すと日本はいち早く賛同を表明した。今回の船長就任は日本の積極関与を評価されたともいえる。
まあ今後10年付き合っていく中で日本が重要な立ち位置を占められるようになったという事も大きいですかね。
■若田光一さん:国際宇宙ステーション「船長」に…日本人初 [毎日]
コマンダーは、各国から派遣されたISS搭乗員6人が長期滞在する間、心身の健康管理やISSの安全確保に全責任を負う。日常的な仕事の割り振りや地上との連絡業務を担うほか、非常時の対応に関する判断なども任される。JAXAによると、米露以外のコマンダーは、09年のベルギー人、現在訓練中のカナダ人に続く3人目。軍人でない民間人出身者は、07〜08年の米国人科学者に次いで2人目という。
若田さんが宇宙へ行くのは96年の初飛行以来4回目。09年には、日本人初のISS長期滞在に臨み、4カ月間滞在して日本実験棟「きぼう」を完成させた。10年3月からは米航空宇宙局(NASA)のISS運用部門の責任者を務めるなど、軍人出身者が多い宇宙飛行士の中でも抜群の指導力を発揮し、参加各国の信頼が厚い。
■信頼と貢献積み重ね、勝ち取った栄誉 [産経]
ISSの船長は、狭い空間で一緒に生活する他国の飛行士5人に実験や施設維持などの作業を指示し、食事や運動などの生活習慣にも口出しできる。緊急事態の対処のほか、飛行前でもチームの和を乱すと判断した場合は飛行士の交代を要求できるなど権限はとても大きい。
過去3回の飛行をいずれも完璧にこなした若田さんは、これまでもリーダーシップや管理能力などを高く評価されてきた。今月まで米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士室でISS運用部門のまとめ役を務めるなど、名実ともに日本のエースで船長の役目も立派に果たすだろう。
これだけ各方面からの信頼が厚いからこその抜擢でしょうか。グループ長に就いたあたりからフラグ立ってましたが、来るべきものが来たという感じもします。