東北地方太平洋沖地震関連 2011.03.25

強い放射線どこから プール・原子炉周辺の可能性 [日経]

 作業員3人が被曝した3号機のタービン建屋にたまった水は、放射性物質セシウム137やセリウム144に汚染されていた。いずれも核燃料のウランの核分裂反応によってできたものだ。原子炉や使用済み核燃料プールにある燃料の一部が損傷している疑いを裏づけた。

3号機被曝事故「原子炉から出た水が原因か」 保安院 [日経]

 そのうえで「原子炉自体にひびが入っているとか割れているとかいった証拠はない。(炉内の)圧力もあるので、可能性はない」と強調。

 理由については「海水を注入するために弁の開閉作業をしており、その際に何らかの水漏れが起きた可能性もある」と指摘。「(高濃度の放射性物質を含んだ水は)燃料系のどちらかからしか出てこないため、使用済み核燃料プールからの可能性もなくはないが、燃料の毀損の可能性や規模が分からず確定的なことは言えない」とも言及した。

3号機タービン建屋に溜まっていた放射性物質混じりの水がどこから出てきたのかという話ですが、格納容器の圧力は保たれているので配管系や燃料プールなどが疑われているようです。

2人はやけどと同様の治療へ [NHK]

研究所は25日夜に記者会見し、2人については、およそ2時間、くるぶしまで水につかった状態で作業をしており、局所的に2000ミリシーベルトから6000ミリシーベルトの強い放射線を受けたと推定されるとしました。そして、今のところ、2人の皮膚に異常はみられないものの、今後、3週間後までに障害が生じるおそれがあり、やけどと同じような治療を行うことになるとする見通しを示しました。また、放射性物質による体内の汚染が認められるが、治療が必要なほどではないとする検査結果を明らかにしました。一方、長靴を履いていた1人については、内部被ばくはなく、放射性物質を含んだ水に触れていないので皮膚に障害が現れるおそれはないとしています。研究所の明石真言緊急被ばく医療研究センター長は「2人は食欲もあり、日常生活は全く不自由ない。3人とも週明けまでには退院できると思う」と話しました。

重症には至っていないようで安心しました。しかし作業員の安全を管理する体制に不備があったことは否めません。もちろん根本的に危険な作業に従事しているので被曝する可能性は常にありますが、今回のように長靴を履いていれば防げたことは徹底的に減らさないと、下手すると一生障害が残りますから。

福島原発、原子炉冷却へ総力戦 真水注入に切り替え [日経]

 東京電力福島第1原子力発電所1、3号機で、原子炉に送り込む海水を真水に切り替えた。原子炉に海水を入れ続けると塩分で原子炉に損傷を与える恐れもあり、真水への切り替えが求められていた。米軍の協力も得た総力戦で、原子炉の安定的な冷却に向けた作業を急ぐが、道はなお険しい。

 海水に代わって送り込んだ真水は、生活用水に使っていた坂下ダム(福島県大熊町)の水をタンクに送った後、消防車のポンプで注入した。いずれも外部電源を接続できたため、タンクから水を取り出せるようになった。2号機は26日にも切り替える。
 当初はタービン建屋にあるポンプを復旧して真水に切り替える計画だった。ただ、ポンプの復旧を進めていた作業員が被曝(ひばく)し断念。消防車のポンプを原子炉建屋の配管につなぐ方法で真水を送り込んだ。

米軍、原子炉冷却に真水提供へ 海水注入による腐食懸念 [朝日]

 原子炉の冷却にはこれまで海水が使われてきた。北沢氏は会見で「海水をいつまでも注入していると塩害のようなものが起きるのではないか。それについて米側が強い懸念をもっていて、機材の腐食を防ぐためには、淡水に早く変更すべきだという米側からの非常に強い要請があった」と明らかにした。

 東京電力はダムの真水を使うことも検討しているが、十分に供給できない場合に備え、米軍からの提供を受けることにした。注入には、米軍が提供するポンプを使うことを想定。状況次第では、設置や操作は東京電力に代わって自衛隊が行うことも検討しているという。

海水による塩害の影響が心配されていましたが、数日前から進めていた真水の注水がようやく開始されたようです。米軍からもジョージ・ワシントン用に備蓄してある冷却用水が提供され、自衛隊が運搬中。