東北地方太平洋沖地震関連 2011.03.28

「燃料が足りない!」震災で空港閉鎖、上空にいたパイロットの真に迫る手記 [らばQ]

 我々の見解からすると明らかにいつもと様子が違った。日本の管制官の不安レベルはかなり高いようで、待機がいつまで続くかわからないと伝えてきた。我々はそんな状況下で時間を保証してくれる者など誰もいないことを知っていた。副操縦士と交代要員の操縦士の二人は、コース変更可能な迂回先と燃料確認に忙殺されていた。当然太平洋を横断してきたことから燃料の残量値は低い。

 10分も経たぬうちにエアカナダ、アメリカン航空ユナイテッド航空の機長たちが、他の空港へのコース変更をリクエストし始めた。全機が最低限の燃料しかないと主張している。当機の燃料は1時間半〜2時間ほどフライトできる残量だった。言うまでもなくこのコース変更により、ことは複雑になった。

そうか、確かにこういう問題が発生しますね。全然気付いてなかった。船や列車なら途中で停止できますが飛行機はどうしようもないですしこれは怖い。本当によく無事でした。

写真とメールが物語る、黙して語らぬ自衛隊員の姿 [産経]

 地震津波の被害が重なった大震災。遺体収容も自衛隊の重要な任務のひとつで27日までに4150体を収容した。写真は宮城県山元町で冷たい水に膝までつかりながら遺体を囲み手を合わせる隊員を写し出す。

 日常的に遺体を扱う警察官と違い、慣れているわけではない。とりわけ、海に流された遺体と対面するのはつらい作業だという。

 《流木にはさまれ、両手をあげていた。最後まで救助を信じていたように…》

 炊き出しで温かい汁ものの食事を被災者に提供しても隊員が口にするのは冷たいものばかりだ。写真は岩手県山田町でわずかな休憩時間に狭いトラックの中で膝詰めになり、冷えたままの缶詰の食料を口に運ぶ隊員を写す。

 22カ所で入浴支援も行っているが、汗と泥にまみれた隊員は入浴もままならない。「わが身は顧みず、何ごとも被災者第一」の方針を貫く。

 大規模支援を買って出た米軍を鼓舞させたのも、そんな自衛隊員の姿だった。

 《米軍は初めは様子見だったが、自衛隊が命をかけて任務を遂行するさまを見て本気になった》

発災から2週間、災害支援にあたる方達の心身の酷使ぶりを見るともう。

東日本大震災:「緊急速報」相次ぐ誤報 地震計ダウン、観測網崩壊 [毎日]

 「停電、通信回線途絶、物理的なダメージの3通りが考えられる」。気象庁地震火山部管理課は被災地の地震計や震度計津波計からのデータが途絶えた理由を説明する。

 データダウンした地点数が最大だったのは大震災から約24時間後の12日午後2時ごろ。震度だけでなく地震波形なども観測して緊急地震速報の発表に活用する「地震計」は東北26地点中19地点、「震度計」は同88地点中48地点がダウンした。津波計は全国183地点中31地点のデータが入手できなくなった。

 26日午前9時現在でも、地震計2地点、震度計8地点、津波計19地点が復旧していない。「いまだに復旧の見通しが立たないものもある」という。

 気象庁が現地を調査すると、青森県八戸市岩手県宮古市津波観測点は建物や装置ごと津波に破壊されていた。大震災時に震度5強を観測した千葉県香取市の震度観測点は、震度計を設置した小屋が地盤の変形で大きく傾き、正確なデータが取れなくなっていた。

余震が頻発する中で地震速報の誤爆や不発が起きていますが、今回の一連の被害でシステムにかなりのダメージを受けているようです。堅牢製という点などでは課題が残りますが、それでも初っぱなの震度7に対応出来たのは凄かったですよ。

女川の鉄筋ビル、基礎ごと倒れる 津波17メートル超か [朝日]

 ビルの倒壊は町の中心部で確認された。原形をとどめながらも、基礎ごと倒れ、地盤に打ち込んだ杭も一部、引き抜かれていた。船などの漂流物にぶつかられた跡はなく、水流の力だけで倒れたらしい。ビルは鉄骨造りのほか、古い鉄筋コンクリート製とみられるものもあった。

 柴山さんの計測では、女川町中心部を襲った津波の高さは17.6メートル。女川湾の入り口に造られていた大型の防波堤も倒れて水没、防潮堤のない中心街を守るとりでが無くなっていた。

倒されたというか、引っこ抜かれたというか… たとえ津波より高いビルに避難してもそのビルが持って行かれる可能性すらあるということですか。こうなるともう逃げ場なんて無いですね。

毒劇物の容器散乱、家屋内にも 宮城沿岸の工場から流出 [朝日]

 宮城県石巻市石巻漁港では、東側の一角に直径約10メートルの円柱形のタンクが横倒しになっていた。周辺の道路に油が流れ、独特のにおいが充満している。工場の屋根の上や路上には「火気厳禁」と書かれた赤色や青色のドラム缶も散乱している。

 岩沼市では、冠水した田んぼに半径15メートル、高さ16メートルのメタンガスタンクが野ざらしになっている。津波の衝撃で下部がへこみ、「火気厳禁」の注意書きをした看板もつけられている。約1キロ東にある県の下水道浄化センターから流されたらしい。県によると、ガス漏れは確認されていないが、タンク内にガスが残っている可能性があるという。

 他にも石巻市内で、防虫用に保管されていたシアン化合物のドラム缶2本が発見された。殺虫剤などに使われ、毒劇物取締法で劇物に指定されている臭化メチルのボンベ125本なども流出している。

これもかなり危険ですね。

1〜3号機の真水注入続く たまり水除去、1号機で継続 [朝日]

 1〜3号機の原子炉には、これまで近くの海から採った海水を注入していたが、海水に含まれる塩や不純物が核燃料に付着し冷却の効率が悪くなることへの懸念や、長期的には機器の腐食の心配もあった。このため、26日までに海水を淡水に切り替えた。

 また、1〜3号機のタービン建屋の地下で見つかった高い放射能をおびたたまり水のために、タービン建屋内での作業は一部を除き止まっている。1号機では、たまり水を排水ポンプを使って復水器という装置の中に入れる作業が27日も続いた。

2号機汚染水、15分で被曝上限 放射能大量流出の恐れ [朝日]

 保安院や東電によると、2号機タービン建屋のたまり水の表面で26日、毎時1千ミリシーベルト以上を計測した。測定作業ですぐに針が振り切れたため、測定員は測定を中止して退避した。シーベルトは、放射性物質の種類ごとにエネルギーが違うことなどを考慮した人体への影響を示す単位。今回の作業のために100ミリシーベルトから緩和された250ミリシーベルトの上限に達しないようにするにはその場に15分といられない。

2号機はやっぱりあの空焚きで何らかのダメージを受けているんでしょうかね。

「この防護服で大丈夫?」 放射性物質広がり作業員不安 [朝日]

 東電によると、原発内は放射能汚染の危険性に応じて、低い「A」から高い「C」まで3段階に分かれており、作業員は各区域に応じた防護服を着用することになっている。

 復旧作業でも、最も危険性が高い屋内の「C区域」で作業をする場合は、Cレベルの防護服を着用している。ただ、現在の敷地内は相次ぐ事故で放射性物質が広がり、原子炉建屋などの内部だけではなく、通常は安全とされている屋外や関連施設も危険な状態になっているという。混乱する現場で放射線の状態の事前チェックが行き届かない状態も続いている。作業員らは線量計を身につけているが、「この場所でもCレベルの防護服を着るべきではないか」「本当に大丈夫なのか」と疑問を感じながら、作業を進めている人が多いという。

「放射能1千万倍」は誤り 東電、違う物質と取り違え [朝日]

 2号機のたまり水を調べた際、減り方が極めて早いヨウ素134という物質について採取時点の放射能を逆算すると、1ccあたり29億ベクレルとなった。通常の1千万倍にあたる。これほど大量に検出されれば、炉内で核分裂反応が起きている可能性すらある。原子力安全委員会は再評価するよう東電に求めた。

 東電が再度測ると、ヨウ素134なら急速に減るはずの放射能が、さほど減っていなかった。東電は27日夜、「減り方がもっと遅いコバルト56と間違えた可能性がある」と発表。しかし、28日未明の会見で「コバルト56ではなくセシウム134だった」と再び訂正した。午前の会見で「検出した」と発表していた別の2種類の物質も、実際には出ていなかったという。

 武藤栄副社長は「(分析した)内容を吟味する過程で十分でないところがあった」と話した。

 東電の広報担当者は、「測定結果が不確実な可能性があっても、公表しなければ、後から『隠していた』と批判を浴びる」と悩む。経済産業省原子力安全・保安院も、同じ理由で公表を優先したとしている。

隠蔽隠蔽言われまくって急いだ結果誤った数値を出してしまって訂正の嵐。悪循環ですね。現場の人も何が正しい数字なのか分からなくなってしまいますし、かといって情報伝達が遅いのも怖いですし、これは良くないですよ。

東京電力:1週間もトップ不在 清水社長の体調不良 [毎日]

 関係者によると、清水氏は震災後ほぼ不眠不休で対応に追われ、体調を崩した。入院はせずに東電本店で医師の治療を受けていたが、その間、原発事故対応は原子力担当の武藤栄副社長、計画停電の運用は藤本孝副社長がそれぞれ陣頭指揮を執った。東電広報部は「(清水氏は)対策本部は離れたが、本店内で情報収集し、指示を出していた」と説明しているが、実際には「ほぼ寝たきりの安静状態」(東電幹部)で、実質的にトップ不在の状態だった。

現在は本部に復帰しているそうですが、トップが自己管理出来ないというのは駄目なのでは…。いやまあ1号機と3号機が連続して爆発を起こしたら倒れる気持ちも分かりますけど。

なぜ女川原発を避難先に? 240人が生活「行くとこない」「頑丈で安全」 [産経]

 水産加工業に携わる女川町の60代の男性は「町の中心部に向かう道が地震で通れなくなり、ここに避難するしかなかった。頑丈に作られているから安全だと聞いていたし…」と話す。

 福島原発の事故を知ったのは避難後のこと。「怖くないわけではないが、他の避難所は人でいっぱい。行くところもないし、しばらくはここでお世話になろうと思っている」と話す。

 石巻市から避難してきた40代の女性は、安全なところに避難しようと思ったときに、原発のことが真っ先に浮かんだという。

 「福島での事故を聞いて、『もしかしたらここも?』と思わなくはないが、事故が起こったようなニュースは聞かないし、今さら他に移ることは難しい。家にも近いので、しばらくはここで過ごしたい」

福島と明暗分けた女川原発 大津波想定、高い敷地に [共同]

 太平洋沿岸の2原発が明暗を分けたのは、設計時に想定した津波の違いによる立地の差。ただ、女川原発にも想定を超えた波が到来しており、避難している住民からは「お世話になっているし、信じるしかない」と複雑な声も漏れた。

女川でも福島同様強烈な津波に見舞われましたが、原子炉は安全に停止されています。想定した津波の規模は超えていましたが、立地の整備などを徹底した結果としてマージンに収まりきったようです。原発はその性格上とても堅牢に作られているはずですし、もしもの時には最も安全な場所であるべきで、女川原発のケースはまさにそこに当てはまりますね。避難している住民の方々の言葉がそれを裏付けます。

 そんな原発に、周辺から被災した住民が身を寄せる。東北電は敷地の体育館に最大で約360人を受け入れ、食事も提供している。町内の60代女性は「原発交付金で町にハコモノばかりでき、何だと思っていたが、それのおかげで命拾いしたので、複雑な思いです」とつぶやいた。

それは確かに、まあ生きていると何が起こるか分からないものですw

女川・東通原発、電源車を常時配備 注水ルートも確認 [朝日]

さらに福島の事態を受けて対策に乗り出しているそうです。