陸域観測技術衛星「だいち」の電力異常について [JAXA]

本日の宇宙開発委員会で詳しく報告されています。

これまでのテレメトリ解析の結果では、姿勢軌道制御系や通信系に異常は認められていない。電源系機器に何らかの異常が発生し、各機器やバッテリに供給される電力が低下した。その結果、バッテリが枯渇して衛星の機能停止に至ったものと推定される。

姿勢制御に異常は見られなかったとなるとやはりパドル周りでしょうね…。復旧の見込みは少ないが5月中旬までは復旧運用を続けるそうです。

「だいち」の電力異常については、協定パートナーを始めとする、国内外のユーザーや研究者等にも、プレスリリースと並行して連絡。従前より、「だいち」の寿命について御理解いただいているところではあるが、今後の観測に見通しが得られないことについて、大変残念であるとの御意見をいただいている。

「だいち」で積極的に国際協力していたことにより、東日本大震災では海外から約5000シーンの提供を受けた

国際災害協力として持ちつ持たれつ関係を構築していたからこそこれだけの支援を受けられたんでしょうね。「だいち」が失われたとすると、こうした協定にどう影響してくるかが気がかりです。まあ今は場合が場合ですから当面そういう心配は無いかも知れませんが。
あとブラジルへのアマゾン川流域違法伐採監視、国内の違法投棄監視、オホーツク海の流氷監視などのデータ提供がなされてましたが、これらも途絶えてしまいますね。だいぶ定着してきただけに残念であります。なるべく早く後継機が上がることを願います。

「だいち」(ALOS)の現状を聞いてきた:宇宙開発委員会傍聴 [文系宇宙工学研究所]

 万が一、億が一の奇跡が起こって欲しいとは思います。「だいち」は私が初めて名付け親になり、我が子のように思ってきた人工衛星です。こんな突然の別れになるとは予想だにしていませんでした。

 ですが、これが現実でしょう。今回の宇宙開発委員会での喪失報告=臨終宣告も想定していただけに、約半月の猶予がもらえたのは嬉しいです。

自分も同じような気分なんですよね。いるのが当たり前みたいな感じだった「だいち」が急に沈黙してしまって、正直今でもちょっと信じられないような、でもなんか諦めたような何とも言えない感じで。なので期限を半月に区切って復旧運用を続けるというのは少しホッとしましたし、運用上も妥当な判断だと思います。