東北地方太平洋沖地震関連 2011.05.10

「津波避難ビル」一定の効果 指定基準調べ直し普及促す [朝日]

 津波避難ビルが実際に津波を受けたのは今回の地震が初めてだった。仙台市は沿岸部の鉄鋼会社やビール会社など3社と協定を結んでおり、今回の地震で600人以上が指定ビルに避難して助かった。一方で、宮城県女川町は女川港に面した女川消防署のビルを指定し、屋上に避難できる外付けのらせん階段も設置していたが、津波は屋上を軽々と超えてしまった。「住民が避難できるような状況ではなかった」(同町の担当者)という。

 こうした状況を踏まえて内閣府は、今回の地震で(1)建物が津波に耐えられていたか(2)高さは十分だったか(3)津波避難ビルであることが周知されていたか――などを検証する。基準になかった液状化の影響なども調べたうえで、基準を見直す必要があるかを決める。

高台に拠点を移せれば一番ですが平野とかそういう逃げ場の無い場所もありますし、こういった避難ビルを設置していくのがベターでしょうね。

電力不足、全国的な問題に 浜岡原発停止で融通厳しく [朝日]

 中部電力浜岡原発の全炉停止は、中部電だけでなく、東京電力九州電力にも影響が及んでいる。電力会社は隣接していなくても、「玉突き」のかたちで電力を融通し合っているためだ。

 東京電力は発電設備の復旧や新たな電源確保を急ぐ一方、中部電などから100万キロワットの融通を受ける予定だった。ところが、浜岡の停止で中部電は東電に融通できなくなった。東電幹部は「100万キロワットが飛んだら、どこから持ってくるのか」と焦る。

 菅政権は東日本の電力需給対策を10日に決める予定だったが、延期の方針。中部電から東電への融通ができなくなり、見通しが変わる可能性があるためだ。

 九州電力は、中部電から40万キロワットの電力融通を5月から受けているが、浜岡原発の停止で融通が打ち切られることになった。九電は玄海原発2、3号機の再開見通しが立たない。

 定期検査に入った原発東日本大震災後、まだ全国で1基も運転を再開していない。福井県内に11基の原発を持つ関電は、3基が定期検査で停止中。さらに3基が定検に入る。幹部は「再稼働できないと関電も厳しい」と打ち明ける。

夏の電力切迫の恐れ 全国の原発54基中42基停止も [朝日]

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、定期検査の終了予定を過ぎてもなお、営業運転再開を延期している原発が7基にのぼっている。安全対策や地元の理解が求められているためだ。今夏までに6基が定期検査に入る。再開できなければ国内の商用原子炉54基のうち、停止要請を受けた浜岡原発をはじめ42基が止まる事態になり得る。火力や水力も含めた全電源の約2割で、夏の電力供給が各地で切迫する恐れもある。

まあ、こうなります。浜岡を止めるという判断はアリですが、節電すれば簡単だ、みたいな話ではなく全国的に電力バランスが崩れることになります。

3号機プールの映像初公開、重なる大量のがれき [読売]

 3号機の原子炉建屋は3月14日に水素爆発した。映像は8日に撮影。原子炉建屋の屋根や壁の一部とみられる大量のがれきが、燃料を収めた金属製ラックの上に積み重なり、爆発のすさまじさを物語っている。

滅茶苦茶がれきまみれではありますが、一応水位は保っているようです。放射性物質の濃度としては2号機などと同レベルらしい。

謎深まる4号機爆発 水素、原因じゃない? [東京新聞]

 柱を残しほとんど壁が吹き飛んでいることから、東京電力は水素爆発が起きたと判断。計千五百三十五体の燃料を保管していることから、注水冷却に追われることになった。

 だが、四月二十八日と今月七日にプール内を水中撮影すると、がれきなどは入っているが、いずれも予想以上にきれいな状態。

 東電の松本純原子力・立地本部長代理は八日、「燃料は比較的健全と思っている」と述べた。燃料が無事なのはいいことだが、大破の原因究明は振り出しに戻った。

 次に浮上したのが、隣の3号機から水素が流れ込んで爆発したとの説。先に3号機は大爆発を起こし建屋は無残な姿になっており、水素が発生したのは明らか。3、4号機は地下の配管などでつながっているため、流入説が出た。ただ、経済産業省原子力安全・保安院の担当者は「空気より軽い水素が下に回り込むものなのか疑問がある」と否定的だ。

 水素以外の爆発説もある。点検時に持ち込まれた有機溶剤などが原因という。ただ、持ち込み量は「地震前日の作業終了時で石油類二・六リットルとスプレー缶三十三本」(東電)。民間シンクタンク原子力コンサルタント佐藤暁氏は「壁一枚飛ばすどころか、人がやけどする程度でしかない」という。

 テレビカメラで爆発が撮影された1、3号機と違い、4号機は爆発の目撃者もいない。原子力安全委員会の関係者は「どの仮説も検討するとあり得ないという結論になる。いつ壊れたかすら特定できていない」と途方に暮れる。

あれ本当に謎ですよね。2号機より綺麗だったのがいつの間にかボロボロになってて何があったんだという感じですが、カメラもノーマークだったようでどんな状況だったか分かっていませんしプールもがれきがパラパラ落ちているだけで爆発を受けたように見えません。

原発、温度抑制へ注水経路変更 3号機で配管工事 [共同]

 福島第1原発3号機で原子炉圧力容器の温度が上昇傾向を示していることを受け、東京電力は10日、圧力容器への注水経路を変更し、水をより確実に入れるため、タービン建屋内で配管の工事をした。経路切り替えは12日以降の予定。

 これまでの経路は途中の分岐が多く、圧力容器に十分に水が入っていない恐れがある。東電は別の経路を使うことにし、配管の途中にタンクからのホースをつなぎ込んで水を入れることにした。

 3号機では5月に入って温度の上昇傾向が鮮明になり、圧力容器上部は、4月末には80度台だったが5月8日には217度に達し、高い状態が続いている。

冷却水の供給系の工事を進めたようです。3号機の圧力容器では胴フランジ部で300度を超えるなどかなり高温になっていましたが、10日の時点で低下しています。この一日で水位が30cmほど上がったためでしょうか