NASA、新型有人宇宙船「MPCV」計画を発表 [sorae.jp]

米航空宇宙局(NASA)は5月24日、次世代有人宇宙船「多目的有人宇宙船(MPCV=Multi-Purpose Crew Vehicle)」の開発計画を正式に発表した。

NASAはこれまでオリオン有人宇宙船の開発を進めてきたが、同宇宙船はオバマ政権が2010年2月、「コンステレーション計画」を打ち切ったと同時に中止され、製造元のロッキード・マーティン社も開発を凍結するように、各下請け企業に手紙を出していた。

MPCVは4人乗りの有人宇宙船で、大型ロケットによって打ち上げられ、21日間のミッションをこなすことができる。また、居住モジュールと共に打ち上げれば、月や火星、小惑星までの飛行もできるという。大気圏再突入と帰還はオリオン有人宇宙船と同じ方式を採用し、太平洋に着水する。打ち上げと帰還の安全性はスペースシャトルよりも10倍も高い。

MPCVはオリオン有人宇宙船の設計を元に、ロッキード・マーティン社が改造を進めており、既にデンバーの施設で試験が行われている。初の有人打ち上げについては、ロッキード・マーティン社は2016年以降だと説明しているが、NASAは開発費用や期間などについては明言していない。

コンステレーション計画の中止で当面の有人月探査も無くなりましたが、同時に将来的な有人火星探査構想を打ち出しています。そのための多目的カーゴとしてオリオンベースのMPCVを打ち出したようです。地球低軌道はCOTSやCCDevによる民間主導、深宇宙はNASAという棲み分けで進めるようですね。