打ち上げから2年、探査機LROのデータで見る月面 [AstroArts]

LROの7つの観測機器がこれまでに取得した画像や地形データは192テラバイト(DVD約4万枚分)にもおよぶ。そのデータをもとに、詳細な月全球マップや、570万km2(日本の面積の約15倍)もの広域の地表を約0.5mという高解像度でとらえた地形マップが作成された。

また、極域のクレーターで絶対温度25K(摂氏-248度)という極低温の永久影ポイントを発見するなど(2009/9/29「LRO、月の永久影の温度を明らかに」参照)クレーター深部の観測や、水が豊富な場所や資源となる水素の捜索、将来の有人探査のための月の放射線環境の調査など、数々の貴重な観測を行ってきた。LROが取得したデータは、NASAの「惑星データシステム」サイトで公開されている。

6月21日、NASAはLROの目標予定ミッションが全て成功のうちに完了したことを発表した。観測運用は引き続き行われる。

もう2年が経つんですね。ここまでが予定していた定常運用だったようですが、後期運用は後どれくらいできるんでしょうか。0.5m分解能で観測した面積はおよそ全球の15%相当。やはり一度に観測出来る範囲というのはかなり限られてくるようです。この辺はミッションの性格によって選ぶ部分ですね。今後はGRAILという重力分布を観測する衛星(「かぐや」における子衛星「おうな」でのVRAD観測を専門にしたもの)も打ち上げられる予定です。