11/07/19: NASA、ドーンのベスタ周回軌道投入後の近接写真を発表 [月探査情報ステーションblog]

写真は航法の目的で撮影されており、これまでにみたこともない細かさで、ベスタの地表の状況が映し出されています。ドーン探査機がベスタの周回軌道に入った際の距離は、ベスタからおよそ16000キロメートルで、技術者の推定によると、周回軌道に入ったのは午後10時頃(アメリカ東部現地夏時間。日本時間では7月16日午前11時頃)とみられています。
上の写真が、はじめて撮影された小惑星ベスタの表面です。撮影距離はおよそ1万5000キロメートル。1ピクセルはおよそ1.4キロメートルになります。

ドーンはまた、小惑星までの28億キロの飛行により、探査機の最長推進距離記録を達成しました。この間にイオンエンジンにより得られた加速はおよそ毎秒6.7キロメートルに達します。

ドーンの主席技術者であり、NASA/JPLの技術者でもあるマーク・レイマン氏は、「ドーンはゆっくりと穏やかに、ベスタの周回軌道に入っていた。それは、惑星間空間をイオンエンジンで飛行しているときと同じくらい、穏やかなものだった。太陽系の内側で、まだ私たちが訪れていない未知の世界の画像の様子を届けることができるということで、非常にわくわくしている。」と語っています。

なお、周回軌道投入には成功したものの、ドーンのベスタへの接近にはさらに3週間ほどかかります。この間に、ベスタの周囲に衛星がないかどうかの調査、航法目的でのさらに多くの写真の取得(正確な軌道を決めないと、ベスタの重量や大きさを決定できないため、運用に影響が出てきます)、ベスタの物理的性質の調査、そしてデータを校正するためのデータ取得など、いわば科学観測に向けた準備を行っていきます。

まずは下調べですね。