本日のイカロス君 2011.07.21

07/2123:22:18: 今日の IKAROS(7/21) - Daily Report - July 21, 2011 [IKAROS-blog]

ところで,今日はスペースシャトルアトランティス号)が
最後のフライトを終え地球に帰還しましたね.
アポロが終わった後生まれた我々IKAROSチームの世代は
スペースシャトルの就航から退役までとほぼ同じ
長さ生きてきたことになります.

そんなあって当たり前のものがなくなるのは寂しいものです.
そして当たり前だったからあまり最近は目を留めませんでしたが,
最後の姿を改めて見ると,やはり雄姿ですね.
私的には,スペースシャトルを30年間持続した,エンジニアのスピリットに,
思いを馳せずにいられません.

ときに,スペースシャトルは,宇宙船としては最適ではないとか,
経済的には失敗だとか言われてきました.
しかし,エンジニアリングとは,技術・時間・コストの制約のもと
「成立」解を得る作業.「最適」解を得ることが目的ではありません.
スペースシャトルには,30年運用を持続してきた,そして困難を乗り越えてきた
エンジニアリングの凄みを感じます.

IKAROSは,どうでしょう?
今となれば,最適設計とはとても言えません.次にソーラーセイル機を
飛ばすとしたら,よりよくしたいところがいっぱいあります.
でもIKAROSIKAROSで,ソーラーセイル宇宙船として,ちゃんと成立しています.

誰も見せることができなかった成立解を,見せていく.
それが私たちの重要な仕事だと,スペースシャトルの退役に際して,
改めて強く思いました.(Y)

色々言われてはきましたが、当時の技術の粋を結集した、今になってもまだ信じがたいほどハイスペックで高性能な宇宙船であったと思います。有翼型往還機の可能性と難しさ、その両方が課題として残りましたが、果たしてこれで終わりかというと小型シャトルの研究は各所で続いていますしそんな感じはあまりしませんし、適材適所に最適化して残っていくのではないかと思います。