できない理由を探す文化は要らない [ITpro]

 川口氏は、はやぶさのプロジェクトが成功した要因として、「できない理由を考えない」という、JAXAの組織文化を挙げた。プロジェクト開始時も、プロジェクトの最中も、メンバーは「どうしたら先に進めるか」だけを考えた。このプロジェクトは、小惑星に探査機を着陸させてサンプルを採取するという目的自体が世界初の試みであり、イオンエンジンの採用など実現手段も世界初だった。「ソリューションの出来は60%でいい。完璧を目指していたら何も始められなかった」(同)という。

 なぜ、次々と起こる想定外の事態に対処できたのか。川口氏は「なぜそういう設計にしたかを理解しているから」と話した。設計した理由や背景、その妥当性を熟知しているからこそ、何かがダメになったときにその代替手段を考え出すことができたという。「福島第一原子力発電所は、米GE(General Electric)の設計通りの配置だったと聞く。なぜその設計なのかを、東京電力は理解していたのか疑問に思う」と続けた。

ここで述べているとおり、闇雲に突っ込んでいけばいいというわけではないという点も留意すべきところですね。