改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E(アムサー・イー)の観測停止について [JAXA]

 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が開発した改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-Eは、米国地球観測衛星Aqua(アクア)(平成14年5月4日打上げ)に搭載され、9年を超えて運用してまいりました(設計寿命3年)。平成23年8月末以来、2度にわたって比較的大きなアンテナの回転摩擦の持続的増大が確認されており、JAXAは、継続的な監視を行ってまいりましたが、平成23年10月4日15時58分頃(日本時間)、定常観測に必要な回転速度(毎分40回転)を維持する限界(注1)に達したため、AMSR-Eは観測および回転を自動で停止しました。

 JAXAは、今回の状況の解析を継続するとともに、必要な対策を講じていきます。
 また、AMSR-Eの後継として、第一期水循環変動観測衛星「しずく」GCOM-W1を打ち上げる予定です。

注1)回転摩擦がある場合、回転速度を維持するためには回転摩擦を相殺するだけの回転させる力(トルク)をかける必要がありますが、ここでの限界とは、AMSR-Eに組み込まれたモーターが出すことが可能な回転させる力(トルク)の最大値(4.5Nm)のこと。

9年間休むことなく回り続けたアンテナがついに止まったそうです。正確には一定の回転数を維持できなくなったということで自動停止ですが、結構複雑なこの構造を設計寿命を大きく超えて動作させ続けられたのは凄いですね。復旧可能か分かりませんがここで触れられているとおりGCOM-W1「しずく」が来年打ち上げ予定なので空白期間は半年以内で済みそうです。