ロシア火星探査機、応答なし 地球落下の恐れも [AFP]

 フォボス・グルントは、地球周回軌道に投入後、数時間以内に火星に向けて進路を変更する予定だったが、ロケットエンジンが噴射しなかった。エンジン噴射に失敗したのが南米上空で、ロシアは南米にレーダーを持っていないことから、ロシア連邦宇宙庁(Roskosmos、ロスコスモス)は海外の情報源を通じて初めてこの事実を知った。

 同庁は10日、フォボス・グルントが無線通信圏内に入ったわずかな時間を狙って通信を試みたが、応答は得られず、関係者らの間には暗たんとした空気が広がりつつある。2回目の通信の試みが失敗した後、ロシア通信(RIA Novosti)は「現段階で最も恐ろしいのは、探査機から全く信号が返ってこないことだ」との関係筋の談話を伝えた。

 別の関係者は、「探査機を復活させて火星に送り込める確率は極めて小さくなった」と露ウェブサイト「gazeta.ru」に語った。フォボス・グルントを生き返らせるため、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)も全面的に協力している。

現在フォボス・グルント関連はかなり情報が錯綜していますが、とにかく一度テレメトリが取れて以降はなかなか通信が確立できずに苦闘しているようです。スペースサイト!さんが分かりやすく纏められています。なんとか復旧して欲しいものですが…。
ちなみにフォボス・グルントには中国の探査機「蛍火1号」も相乗りしています。この探査機は軌道変換能力を持っておらずフォボス・グルントが火星周回軌道に入った時点で分離される手はずなので、現在は推進機構である下部のフレガートと上部の着陸機の間のトラス部分にくっついたままになっています。中国側としては何もすることは出来ないわけで、まさにどうしてこうなった状態でしょうね。