平成23年宇宙開発委員会(第30回) 議事録 [宇宙開発委員会]
【井上委員】 では、どこを向いているかがわかれば、止まっていても観測することはこれからも可能ですか。
【井上委員】 線上に観測することになると非常に狭いですね。
【JAXA(竹島)】 アンテナが地球の方向を向いていれば、線上に観測することはできますが、校正源を見ることができないので、校正はきちんとできない状況です。
【井上委員】 それもありますね。
【JAXA(竹島)】 NASAと交渉するというところがありましたが、例えば4rpmの低速回転で回すことができれば、あるタイミングで校正源をとるなど、いろいろなことができますので、将来、GCOM−W1搭載のAMSR-2とも相互校正できるのではないかということで、今、4rpmでの観測についてNASAと交渉を始めました。
先日停止したAQUAのAMSR-Eですが、どうやらまだ観測運用を狙っているようです。粘りますねえ! 相互校正できれば更なる成果が期待できそうですし、さあどうでしょうか。
【井上委員】 わかりました。
次に、今回、回転摩擦が増えたというのは、よく宇宙で使われているようなものが使われていて、さきほどの河内山さんの質問に近いのですが、今回特にそこで何か学ばなくてはいけないというものはなくて、想定内の事象が起こったという理解をしているのですか。【JAXA(道浦)】 そうですね。同じように、NASAの衛星でもこういう回転部の故障の事例がありまして、最後の壊れるときですが、同じような故障の仕方をしています。ですから、想定内の、通常のベアリングを持っていたものが故障したパターンだと我々は理解しています。
【井上委員】 そういう意味では、国産のものですか。
【JAXA(道浦)】 輸入品ですね。
【井上委員】 世界的にも同じようなものを使っているのですか。
【JAXA(道浦)】 はい、そうです。
今回の故障も一般的な寿命であるようです。