地球外へ発想広げて/宇宙太陽光発電 [朝日]

 実現には、太陽光を集める直径3キロ前後と巨大で、超薄型の反射鏡が必要とされる。その試作品を開発したのが、大津市の特殊ガラスメーカー「日本電気硝子」だ。

 薄膜事業部の桜井武さん(47)は2年前の夏、東京・丸の内にある宇宙航空研究開発機構JAXA)の事務所を訪れた。担当者の「1平方メートルで100グラムの鏡を作ってほしい」という注文に耳を疑った。

 当時の技術では、厚さ1.1ミリ、重さ約3キロが限界だった。発送電施設をロケットで宇宙まで打ち上げるためには鏡を紙と同じくらいの軽さにしなければならないという説明だったが、「無理だ」と思った。

 だが、ガラスの薄型化とともに、金属の酸化物を吹き付けて膜にし、鏡を作る技術に磨きをかけた。吹き付ける厚さの調節がうまくいかずに鏡が反ったり、ガラスにひびが入ったりと100枚以上だめにしたが、3カ月後にようやく完成。1平方メートルで、厚さ0.1ミリ、重さ250グラムの鏡を作り上げた。

この削りよう、ハンパないですな。