イプシロン開発の苦労語る 宇宙機構の森田教授講演 [読売]

 森田教授は「ロケットや人工衛星は失敗のリスクを回避するため、最先端の技術ではなく完成された古い技術を使うことが多い。このため、性能を高めると大型になっていったが、イプシロンは宇宙開発以外の分野で実用化されている技術を採り入れ、性能を維持しながら小型化、低コスト化を図る」と説明。

 具体的には〈1〉人工知能を搭載し、打ち上げ前の点検作業などをロケット自身で行う。発射管制もパソコン1台でできるようにする〈2〉部品を減らし、打ち上げ直前の準備期間を2か月半から1週間に大幅短縮する〈3〉第1段ロケットにH2Aロケットの補助エンジンを流用し、第2段、3段ロケットはM5までで培った技術で性能アップを図る――などで打ち上げ費用を従来の半分の約38億円に削減する。

 ロケット自体で行う制御の範囲をさらに拡大してコスト削減を進め、17年には打ち上げ費用を30億円以下にするのが目標という。

 数年前に学会で、ロケットへの人工知能搭載やパソコン1台での発射管制の計画を発表した際、海外の科学者や技術者には批判的な意見の人も多かった。

 森田教授は「宇宙開発も性能とコストのバランスが重視される時代。費用が安くなれば打ち上げ回数も増え、宇宙がより近くなるとイプシロンで実証したい。(英国のSFテレビ番組の)『サンダーバード』ではボタン一つでロケットを打ち上げていたが、それに近づけるようにしたい」と抱負を語った。

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 森田教授は、従来のロケット開発を「最新技術を使わずガラパゴス化している」と指摘。イプシロンは、他産業の民生部品を活用したり、打ち上げシステムを簡略しており「大きな一歩になる」と語った。

 特に注目されるのは「ロケットの知能化」で、イプシロンは搭載機器の点検をロケット自身が行う「自律化」を試みている。例えば、燃料の点火系統の点検をロケットが行うことで点検設備が不要になり、点検期間が数日から数秒になる。また、打ち上げ後の飛行の自律化も実現すれば、テレビ中継車程度のアンテナ設備とパソコン1台あれば十分で、従来の管制風景が一新されるという。

 森田教授はイプシロンについて「年2機のペースで打ち上げ、1機30億円までコストを抑えれば外国とも競争でき、大学や民間が宇宙産業へ、より参加できるようになる」と話した。

まあこれだけコンパクト化するのはかなり革新的ですので外部から懐疑的な意見が出るのも分からなくはありませんがw、実現したら本当に凄いですよね。是非見返してやって欲しいところです!